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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2026/05/14 (木)

英・仏ギニー振り返り/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは、英2000ギニー、英1000ギニー、仏2000ギニー、仏1000ギニーの振り返りです。



イギリスとフランスでは先週末までに3歳クラシックの1冠目であるギニー競走が終了しました。

現地時間の2日、ニューマーケット競馬場の芝直線8Fを舞台に行われた第218回英2000ギニー(G1)。主催者発表のオッズでは4.0倍で2頭が1番人気を分け合いました。

1頭目は、クールモア所有のスタースパングルドナー産駒で、R・ムーアが騎乗したグスタード(A・オブライエン)。去年10月の米2歳G1・BCジュベナイルターフ(芝1600m)を勝利して以来のレースで、3月末にはA・オブライエン厩舎のオンライン手続き中のシステムトラブルでレースへの登録が消えてしまい、4月に3万ポンドの追加登録料を支払っての出走でした。

もう1頭は、ゴドルフィン所有のナイトオブサンダー産駒でW・ビュイックが騎乗したディスタントストーム(C・アップルビー)。こちらは、去年10月の英2歳G1・デューハーストS(芝7F)3着以来のレースでした。

レースを制したのは、5.5倍の3番人気で、ジョージ・ボーウィー調教師が管理し、3月に20歳になったばかりのビリー・ロックネインが騎乗したボウエコーでした。

15頭立ての15番ゲートからスタートすると、外側馬群の最後列からレースを進め、前方で抜け出そうとするグスタードを残り1Fの手前で捕らえて完勝。2馬身3/4差の2着にグスタード、さらに8馬身差の3着がディスタントストームでした。

去年12月に亡くなったオバイド殿下の自家生産馬で、現在は遺産執行人の所有になっているというボウエコー。ドバイのモハメド殿下の従兄弟であるオバイド殿下は、ゴドルフィンが誇る名馬ドバイミレニアム産駒の唯一の世代から出た後継種牡馬ドバウィを生産したことで知られ、ボウエコーの父で2014年の英2000ギニー馬であるナイトオブサンダーもドバウィ産駒です。

ボウエコーはこのあと、6月のロイヤルアスコット開催で行われるG1・セントジェームズパレスS(芝1590m、6/16)に向かう模様で、無傷の4連勝で英2000ギニー父子制覇を果たしたボウエコーと、「黄色に3つの黒のスポット」の勝負服を纏った20歳の鞍上のコンビから目が離せません。

翌3日、同じくニューマーケット競馬場の芝直線8Fで行われた牝馬限定の英1000ギニーは、クールモアの自家生産によるノーネイネヴァー産駒で、W・ローダンが騎乗したトゥルーラブ(A・オブライエン)が優勝。

2歳時は英2歳G1・チェヴァリーパークS(芝6F)を勝利した後、1番人気に支持された米2歳G1・BCジュベナイルターフスプリント(芝1000m)は8着に敗れましたが、今年初戦だった4月の愛G3プライオリーベルSで7F戦を克服し、さらに距離を伸ばした今回も、6.0倍の3番人気という評価ながら見事にクラシック制覇を果たしました。

一方、2歳時に愛2歳G1モイグレアスタッドS(芝1400m)と英2歳G1フィリーズマイル(芝1600m)を制し、1番人気に支持された同じバリードイル調教馬の2歳女王プリサイス(R・ムーア)は7着。レース後、A・オブライエン調教師は中間の体調不良で、調教が軽めだったことを明かしました。

翌週10日、雨のパリロンシャン競馬場では、フランスの3歳クラシック1冠目プールデッセプーラン(仏2000ギニー)とプールデッセプーリッシュ(仏1000ギニー)が、重馬場の芝1600mを舞台に行われました。

仏2000ギニーを制したのは、アガ・カーン・スタッドの自家生産によるシーザムーン産駒で、F・グラファール調教師とM・バルザローナ騎手という、カランダガンやダリズらと同じ黄金タッグで臨んだライフ。

1番ゲートからのスタートで道中は3番手につけると、直線残り200mで前を差し切り、2着に1馬身差の勝利でした。

ライフは去年10月の凱旋門賞デーに行われた2歳G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400m)では、勝ったプエルトリコから3馬身3/4差の3着でしたが、今回は1番人気に支持されたプエルトリコ(A・オブライエン / R・ムーア)を4着に下してのクラシック制覇となりました。

今後は状態次第で、セントジェームズパレスSに向かう意向で、ボウエコーとの2000ギニー馬対決が実現する可能性があります。

一方、牝馬限定の仏1000ギニーは、2歳時に3連勝で仏2歳牝馬G1マルセルブーサック賞を制し、今回も1番人気に支持されたR・ムーア騎乗のダイヤモンドネックレス(A・オブライエン)が、2着馬に3馬身差をつける圧勝で無傷の4連勝としました。

父は2021年に仏2000ギニーと仏ダービー(ジョッケクラブ賞)を制した仏2冠馬セントマークスバシリカ(父シユーニ)で、半姉には愛オークス馬のチキータや、世界を転戦しG1で2着8回というタフネスぶりだった牝馬マジックワンドがいる良血馬。今後は芝2100mのディアヌ賞(仏オークス、6/14)や芝12Fの愛オークス(7/18)が視野に入っているということです。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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