Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第9回目のトークテーマはシルバーステート考察のまとめと、新たにスタートするシニスターミニスターの考察。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
今井雅宏(以下、今):前回の最後に、シルバーステートは「逆張り種牡馬」という話になったね。
亀谷敬正(以下、亀):特に前走好走して人気になっている馬は危ないですよ。前走5着以内で今回5番人気以内だと、回収率もかなり下がります。
今:勢いがあったり、鮮度が高いと、多少頑張るから昇級戦だと怖さもあるけど、それを除くと好走後の人気馬は切りやすいよね。前回話したように、スムーズに走って激走した後の馬は切り甲斐があるから。
亀:昨日は早速、1番人気の馬が差して凡走しましたね(7/24小倉・テーオーソラネル6着)。
今:スムーズに先行して好走した直後の内枠で好位差しだから、さすがの川田でも無理だったね。コムストックロードも葵Sでは激走したけど、2戦連続好走後の福島テレビOPは1枠で馬群に入って1番人気4着だった。鮮度が落ちたときの連続好走後は、嵌まって走られたら潔く諦める戦法が基本だね。
亀:連続好走するパターンは、重めの馬場が嵌まる形なので、安定感ないですから。
今:上がりの掛かる馬場か、逆に高速馬場なら平均して速い一本調子な流れを、先行して雪崩れ込む形に嵌まらないとだね。
亀:シルバーステートは母父がロベルト系のシルヴァーホークで、重いヨーロッパ型ですので、牡馬は今後、中長距離の非根幹距離が特に面白くなりますよ。牝馬だと多少軽さもあるので短距離が多いけど、牡馬は重い持続力を活かした中長距離が面白い。
特に近走で先行して、持続力を磨いてきたタイプに注意です。実際、完成の遅い産駒が、3歳春以降に2000m近辺をパワーレースで押し切るパターンが増えてますよ。
今:牡馬はより強引だから、好走するときは自然と強い内容になるんで、人気で切る楽しみは、しぶとさもある牝馬よりさらに増しそうだね。ただ、牝馬も非根幹距離が本質的には向いて、一番パフォーマンスを引き出せるのは、平均して速い1400mかな。根幹距離だと、荒れ馬場とか前残りの特殊コンディション向きで。
亀:パワー型なので芝で駄目だとダートに路線変更する産駒も増えてくると思いますが、本質的なダート適性は低い馬が多いでしょう。特に短距離で人気だと危ない。
今:砂を被ると嫌がるので、芝以上に揉まれ弱いよね。フレッシュだと気分良く走れるぶん、芝からのショックはスピードを活かしての激走も怖いけど、激走した後に人気になったら切ってこそだ。逆に「ダートから芝」のショックも、砂を被る嫌な経験から解放されて激走するパターンが怖いけど、やっぱり好走後の次は疑うのが基本になるよ。
亀:そして、シルバーステートが逆張りなら、シニスターミニスターはその逆、「順張り種牡馬」と言えます。好走後でも狙えるタイミングなら、どんどん買っていく。血統的に地味な産駒が多いので、実際よりも過小評価されやすい種牡馬で、そのぶん人気になりにくいですし。
今:トータルでも、ダートの単勝回収率は100%を超える美味しい種牡馬だもんね。とにかく馬券になる。その中でも、どんな条件を狙っているの?