Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第10回目のトークテーマはシニスターミニスター考察のまとめと、新たにスタートするキンシャサノキセキの考察。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):前回は「シニスターミニスターは順張り種牡馬」という話でした。何せ、トータルでダートの単勝回収率100%を超えて、短縮も延長も100%超えと、隙がありません(笑)。
今井雅宏(以下、今):休み明けも問題なく走って、単勝回収率なんかも凄いしね。
亀:その上、叩いて上昇して、間隔を詰めても走りますから。キャリアを重ねて良くなる血統はあまりいないので、自然と期待値が高くなるわけです。最初から分かりやすい能力を示さないので、そのぶん人気になりにくい。
今:人気に織り込まれていない伸びしろが大きいわけだね。
亀:強いて弱点を挙げるとすると何でしょうか。マイルとか、切れを要求される条件でやや信頼度が落ちる面でしょうか。
今:真面目で完成度が高いぶん、強引さ、ダート馬らしい押しの強さにやや欠ける側面はあるよ。普通、ダート専門の強引なタイプは、重、不良のパワー競馬が得意だけど、単勝回収率が良、稍重の半分くらいに落ちて、好走率も落ちる。
そこまで苦手でもないけど、例えばハイペースでも前が残るような強引なパワー比べだと、ダート血統としては相対的に少し弱い。重賞になると若干成績が落ちるのは、その辺りも関係しているかもね。
亀:配合の質もありそうですね。テーオーケインズがGIを勝ちましたし、配合によっては重賞でも活躍していく可能性はあります。普通、サンデー系と配合するとダート適性が落ちるケースが多いですが、その現象が起きにくい種牡馬であることも注目ポイントです。テーオーケインズも母父がマンハッタンカフェ。スケールとスタミナを補強しつつ、砂適性も下げていない配合です。
今:テーオーケインズは初GI勝ちとなった帝王賞の前に、重・不良で連勝したでしょう。逆に言うと、極端な道悪を展開に恵まれたわけでもないのに、先行とかのパワーレースで押し切った馬は、そのまま格上の相手にも活躍出来るという判断指標にもなるよ。
チャンピオンズCを内枠から差し切ったように、馬群も大丈夫なタフさがあるのもシニスターミニスターの長所で、そこに強引なスピードの爆発力も証明した馬は、相手強化しても追いかけて損はないから覚えておこう。
亀:とにかく、追いかけて損のない種牡馬、ということはよくわかりました(笑)。さて、続いてはキンシャサノキセキを考えていきましょう。