Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第35回目のトークテーマはアジアエクスプレス。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):今回はアジアエクスプレスを考察しましょう。基本的に、産駒は短距離ダート向きになりますね。
今井雅宏(以下、今):まとまっているタイプの短距離ダート系になるかな。ヘニーヒューズもまとっているけど、体力面ではややアジアエクスプレスの方が弱い。その分、スピードが特徴になっている訳だけど。
亀:データで見ても、1400mを超えると急に単勝回収率が落ちて、特に1600m以上だと30%くらいですね。2~3着に人気薄が走って複勝回収率はそこそこありますが、勝ち切るとなるとやっぱり短距離ですね。
今:短距離だと1000m、1150m、1300mが余裕で単勝回収率100%を超えて、複勝回収率も高いよね。非根幹距離でよく走ってる。
亀:1150mとか1300mとか、非根幹距離の中でもかなり特殊な距離で走っていますね。
今:まさに非根幹距離の中の非根幹距離だよね~(笑)。それなりにしぶとさもあって、ごまかして雪崩れ込むみたいな競馬が得意なんだよね。Mでは「量がない」というんだけど、そういうタイプは非根幹距離が得意なケースが多くなりやすいよ。
亀:それと仕上がり早というのも特徴になります。2歳戦から走れますので、回収率的にも2歳が一番高くなっていて、年齢を重ねるにつれて落ちていますよ。ヘニーヒューズ同様、使われて上昇するというパターンがあまりないです。
前走2~3着馬の単勝回収率が60%未満ですから、徐々に調子を上げて勝ち切るパターンが少なく、好走後に人気になった場合は逆張りで利用することが多い種牡馬です。
今:ただヘニーヒューズもそうなんだけど、短距離のスピードタイプにしては真面目なところがあって、ある程度スピード慣れした方が向く面があるんだ。普通、ダートの短距離血統は闘う意欲(S質)が強いんで、必然的に気持ちをコントロールしやすい短縮適性が高くなるものだけど、アジアエクスプレスはそうでもないよ。