Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第47回目のトークテーマは前回に続きスクリーンヒーロー。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):前回は非根幹距離向きという話をしましたが、牡馬だとその傾向は顕著ですね。スピードの持続力で走るので1800mとなど合うわけです。
牡馬の複勝率をみると、1800m・27.1%、2000m・22%、2200m・25.6%、2400m・22.4%、2500m・53.6%ですから、見事なほど根幹距離、非根幹距離との差が交互に出てますよ。ウインカーネリアンはマイルで走ってますけど、距離適性にブレが出る逃げ馬というのもあります。持続型なのはスクリーンヒーローっぽいですね。
今井雅宏(以下、今):キレより、平均して速いペースを刻んで最後までラップが落ちない形だよね。だから速い上がりの場合は、ペースも速いけど上がりも速いような高速馬場を先行する形なら向く。
ウインカーネリアンも、1分31秒台の高速時計でラップを落とさずそのまま押し切り勝ちを2回もしてるし。前半は速すぎない流れでスムーズに先行して、そのまま押し切る競馬だよね。グァンチャーレがマイラーズCで逃げて2着のときも上がり32.5秒だから、スピードに乗るとなかなか止まらない。
亀:上がり勝負向きでないので外回りも合わないですよね。外回りは阪神が単勝回収率46%、京都が46%、新潟が27%と低調です。
今:激走しているのはほとんど酷い道悪だよね。京都外回りの全7勝中2勝が不良で、新潟も全8勝中2勝が出走数5回しかない重、不良時のものだから、重い馬場なら不器用さが出ないぶん広いコースもむしろ向く。
つまり、良~稍重の切れ勝負だと外回りの回収率はさらに下がるわけだけど、東京は広いのに良でも単勝回収率69%あるんだよね。ただほとんどが先行馬で、3角7番手以降だと勝率2%を割っちゃうけど。
亀:東京芝の3角7番手以降の平均勝率は4%くらいなので、半分しかないですね。単勝回収率だと7番手以下の東京芝は9%しかありませんよ。
今:ダッシュ力がそんなにないんで、広いコースなら楽に前に行けるぶん先行馬は逆に走りやすくなる。だから新潟や東京の先行馬は、前半のラップ次第で結構粘り込むんだよね。
亀:使われて良くなるのも特徴の1つですよ。ロベルト系は叩いて上昇しますので。キャリア3戦目以降の未勝利戦なんかは、絶好の狙い目になってきますよ。牡馬に活躍馬が多いタイプらしく、キレではなく筋力で走るので使われて硬くなっても問題ないですし。
今:気持ちが強いんで一所懸命走るぶん、反動は怖いけどね。特にテンションが上がりやすい産駒は反動が出やすい。フライライクバードなんかは間隔開けると走るけど、その後に詰めると危ないし、アートハウスもそういうタイプだよね。
亀:休み明けのローズS勝ち後の秋華賞は5着で、愛知杯勝ち後も中山牝馬Sで4着ですもんね。中内田厩舎とか、間隔開ける方が合う陣営だと余計に反動は注意になりますよ。