毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
今回は3/19(土)のファルコンSに出走するティーガーデン、3/20(日)のスプリングSに出走するアライバルについて、レース直前にお話を伺えましたので、特別編として公開いたします。
なお、3/20(日)も通常通りに当連載は更新いたします。3/20(日)の更新では、ドバイ出走直前のオーソリティやサウジカップ当日の裏側等を伺っております。3/20(日)の更新回もお楽しみに!
▼今回の主なトークテーマ
・アライバルの状態、スプリングSを選択した理由
・ファルコンSのティーガーデン、1400mへの適性
アライバルの状態、スプリングSを選択した理由
――スプリングSに出走予定のアライバル、前走の京成杯はプラス16キロでレースを迎えました。
木實谷:新潟2歳S後に脚元の疲れが出て、天栄の方で騎乗運動を開始するまでに時間が掛かってしまい、結果的にだいぶ重たかったと思います。体重どうこうというより、中身がちょっと伴っていなかったですね。
――デビューから2戦は1600mを使っていましたが、1600mを使ったのは適性がそうだったのか、それとも番組上の関係ですか。
木實谷:両方ですね。走るハービンジャー産駒らしく、普段から調教でも折り合いに苦労していたので。競馬を覚えさせるには1600mからと思って使い出しました。
――本連載で、欧州血統馬は気性はマイルもこなせるけど、本質は中距離馬が多いという話をしました。アライバルも適性はマイラーではないですよね。
木實谷:そうですね。デビュー戦に関しては、新馬戦であれば1600mでもそんなに速いペースにはならないだろう、また今後に向けて広いコースを経験させたいということで、先生と相談して東京1600mに決めました。
――前走の京成杯(4着)はコンディションもあったかもしれませんが、中山2000mの内枠はいろいろと難しい条件だったかなと思っています。今回の中山1800mは、適性面ではさらに厳しいかもしれません。