競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「先週から始まった函館の芝コース」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から始まった函館開催。昨年の開幕週は函館スプリントSがコースレコードになったほか、2つの新馬戦でもレコード決着となり、かなり速い時計が出る状態でした。今年の馬場も気になっていた方がいたのではないでしょうか。
まず時計面から言うと、今年は初日の土曜朝に雨が降ったこともあり、昨年ほどの超高速馬場ではありませんでした。そもそも今年、私が事前に函館の馬場担当者に取材した感触では、昨年ほど速くはならないだろうなと思っていました。まずは、その取材情報からお伝えしましょう。
昨年の1回函館開催終了後、競走により傷んだコースの内側を中心に約9300㎡の芝の張替を実施。クッション性確保のため例年同様、昨年10月にシャタリング作業を実施。そして、昨年8月上旬と9月下旬、今年4月上旬と5月上旬にバーチドレンによるエアレーション作業が行われました。
ただし、今年の変更点としては、今年のバーチドレンのタイン(馬場に穴を開ける棒のようなもの)を前年より少しだけ直径の大きいものを採用したそうです。
その理由を馬場担当者は、「芝の生育が順調であることを前提に、土壌環境を改善させるためです」と話していました。なお、状態については、「平年より気温が高めで推移しており、芝は順調に生育。全体的に良好な状態です」とのことでした。
振り返ると、昨年は開幕週だけではなく毎週のようにレコードタイムが飛び出し、函館記念ではサッカーボーイの時計を更新しコースレコードになったほか、最終週の函館2歳Sはレースレコード決着。昨年の函館開催は計9つのレコードが記録されました。
昨年はなぜあんなに速かったのか。まず前提として、馬場の造り方や管理方法が変わったわけではありません。昨年は5月の雨量が少なかったことや、6月や7月の気温が高く、乾燥が進んだことが影響し、速い時計が出る状態になりました。
馬場担当者に聞いたところ、「昨年は特に6月~7月の気温が高いのが特徴的でした。また、開催当日の降雨が多くなく、芝へのダメージが少なかったです」とのことでした。
ちなみに、函館競馬場の含水率が発表されるようになった2019年以降の開幕週における函館芝コース土日の平均含水率は以下の通り。
2019年:15.375%
2020年:14.65%
2021年:15.675%
2022年:12.875%
2023年:15.825%
2024年:14.425%
2025年:12.675%
2026年:16.225%
この数字を見ると、昨年は一番低いですよね。つまり、乾燥していたわけです。一方で今年は16.225%。函館芝コースの平均含水率は14.6%です。
冒頭で「昨年ほど速くはならないだろうなと感じていました」と書いたのは、6月12日(金曜)発表の芝コースの平均含水率が16.5%で、昨年の11.95%より高めだったからです(その割には速めの時計が出ていましたが)。
