毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・イクイノックス、衝撃の天皇賞・秋を振り返る
・エリザベス女王杯に向かうブレイディヴェーグの状態
・鞍上交代で激変が期待できるサリエラ
・デイリー杯2歳S出走カンティアーモのポイント
イクイノックス、衝撃の天皇賞・秋を振り返る
――今回は早速、先週末の天皇賞・秋について伺います。イクイノックス、強かったですね。あそこまで強いとは・・・・・・。
木實谷:強かったですね。やっぱり充実の4歳秋ですし、夏場の調整過程も昨年以上でしたから、感触通りの走りを見せてくれたということだと思います。
――レース内容については?
木實谷:宝塚記念前と比べて状態が格段に良かったので、ゲート出てからポジションを取るまでの出脚だとか、道中の集中力、折り合いも全て良かったです。以前みたいに手前を替えることもないですしね。これまでの積み重ねの成果と自身の成長と充実ぶり、調子の良さ、全てが表れたレースだったと思います。
――気になるのはレース後の状態です。驚異的なレコードタイムでしたから。
木實谷:レースを見る限り、まだ余力はあったと思うのですが、余裕があったからといってダメージがないというわけではないですからね。速い時計で走ったのは事実なので、脚元はもちろん、歩様の硬さ、飼い葉食い、体重など全てチェックして、次はどうするのか、いつ厩舎に戻すのかを木村調教師とも相談していきたいと思います。
明日(10/31)戻ってくる予定なので、1週間ちゃんと様子を見て、目標のジャパンCに良い状態で出せるように、まずはケアしていくことに集中したいと思います。
――ちょっと話は脱線しますが、正直な話、アーモンドアイとどっちが強いですか?
木實谷:どうでしょうねぇ。こればっかりは、分からない(笑)。時計以外で比べようがないですからね。ただ、1つ言えることはイクイノックスにはまだ伸びしろを感じているということです。思惑通り、天皇賞を使って状態が上向いた時にどんな走りを見せてくれるのか、私自身も楽しみでなりません。
エリザベス女王杯に向かうブレイディヴェーグの状態
――続いては今週末のエリザベス女王杯について伺います。まず気になるのはブレイディヴェーグの状態です。ローズS・2着から秋華賞はパスしての参戦になります。