競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「新潟芝コース」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週日曜日にX(旧Twitter)で、“この時期の新潟芝コースはなぜ状態が良くないのか”という内容のポストを見かけました。
確かに、青々としている夏の新潟芝コースと比べると差が大きいですから、競馬歴の浅い方ならそう思うのも無理はないかもしれません。そこで今回は週末に新潟大賞典が行われる新潟芝コースについてお伝えします。
先々週から始まった新潟開催。まずは先週の傾向を振り返ります。芝レースは10鞍行われ、逃げ1勝、先行5勝、中団4勝。後方馬は3着に1頭いただけで、先行系~中団馬が中心。開幕週より先行馬が残っていましたが、2週目にして内を開ける進路取りをするレースが多く見られ、外伸び傾向になりました。
そして、10勝中9勝は5~8枠でした。なお、8日(金曜)と9日(土曜)朝までに7.5ミリの雨が降り、時計は少しかかっていました。
なお、昨年春の新潟開催も2週目に外伸び傾向になっていました。この時期の野芝は生長途上のため例年、外伸び傾向になりやすく、春開催の特徴となっています。
新潟競馬場は全国の競馬場の中で唯一、年間を通して野芝100%で芝レースを行っています。ただ、5月はちょうど野芝が生長していく時期のため、どうしても見た目があまり良くありません。
それでも一見芝がないように見えても、下の方には野芝の基本である“匍匐(ほふく)茎(けい)”が生えており、競走馬の脚を支えて推進力を生み出していますから、問題はないのです。
草丈も春開催時の芝丈は8~10㎝で、見た目的にも短いですが、5月頃の新潟というと、野芝が生長している途中のため、これは例年通りの草丈。繰り返しになりますが、野芝で一番大切なのは草丈ではなく、その下にある匍匐茎です。
野芝や匍匐茎の詳細については拙著「馬場のすべて教えます2」に詳しく書いていますので、よかったらお読み下さいね。
新潟での芝の張替は基本的に毎年3~4月頃と6月頃、計2回に分けて行われています。まず、例年春の1回開催前に前年の開催で傷んだ箇所を中心に、Aコース部分を張替(春開催はBコース使用のため、夏開催に向けての張替という意味合いです)。そして1回開催後の6月頃に、春開催で傷んだ箇所を中心にBコース部分の張替を実施しています。
なお、昨年の春開催前は例年より傷みがあったため、一昨年の第4回新潟競馬終了後にBコース部の芝張替(約1900平方メートル)が行われましたが、今年は今開催に向けて、Bコース部の張替は実施されませんでした。
その理由を新潟の馬場担当者に聞いたところ、「昨年秋開催は2週間しかなかったことに加えて、障害競走がなかったので、例年より馬場の傷みが小さかったためです」と話していました。
ちなみに、今開催では使用しないAコース部の張替は例年通り、1回開催前に実施されています。また、新潟芝コースはすべての開催前にエアレーション作業を実施しています。
