毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・セントライト記念&注目新馬戦の振り返り
・サウジアラビアRC、アイルランドT、JDC出走馬最新情報
・イクイノックスの全妹イクシードがデビュー!
セントライト記念&注目新馬戦の振り返り
――今回はセントライト記念の振り返りからお願いします。ピックデムッシュは4着でしたが、内容はいかがだったでしょうか。
木實谷:ポジションがもう少し良ければというところはありますが、最後はしっかり脚を使って詰めてきましたので、内容自体は良かったと思います。
――スタートで若干出遅れてしまいましたね。
木實谷:前走は好位でも競馬ができていたので、ゲートを出ないのが馬のせいなのか、今回たまたまなのか、今後気を付けて見ていきたいと思います。
――個人的にはもう少し距離があっても良いのかなと思いますが。
木實谷:そうですね。道中は少し促しながら追走した部分もあったようなので、そういう意味ではもっと距離があっても大丈夫だと思います。
――今年の菊花賞は2勝馬でも出走できそうな情勢ですが。
木實谷:今回の競馬を見ると、まだGIで戦うには成長が必要かなと思っています。
――続いては新馬戦の振り返りです。9/13(土)の中山芝1600mはサンセリテが2着、マカレイが3着、モルニケが4着でした。サンセリテは大外枠スタートから外を回して上がり最速。クビ差の2着でしたが、強い内容でしたね。
木實谷:しかもスタートしてから外の方に行ってしまって…。でも、全体的には展開の差だけ、良い内容だったと思います。
マカレイは追い切りの感じからすると、まだ良化の余地がありそうな感じでした。そのなかでも走れたので、次はチャンスだと思います。
モルニケはゲートに課題が残っているので後方からの競馬になりましたが、そのあたりが良くなっていけば、良いところはあると思います。3頭とも次はチャンスだと思います。
――同日の中山芝2000mではレイヒストリコが1番人気で6着でした。レース前の当欄では、使いながらピリッとしてくれば、とのことでしたが。
木實谷:しかも直線のアクシデントがあって外に振られてしまい、ちょっとかわいそうな部分もありました。このあとは間隔を詰めて、中6週ぐらいで使いながら体を締めていきたいと思います。ダートも含めて考えていきたいと思います。
――9/14(日)の中山芝1800mはアクアマーズが2着、シュガーシャックが10着。アクアマーズは最後で切れ負けした感じでしょうか。
木實谷:ハナに立ってからずっと物見をしてしまって、脚が溜まりづらかったように思いました。
シュガーシャックはスクミの影響でもともと予定していたところから3週間ぐらい延びての出走でした。ジョッキーからも硬さが見られたというフィードバックもありましたし、馬体面も含めてまだ走れる体勢になかったかなという印象です。改めて立て直したいと思います。
――9/15(日)の中山芝1600mではサンダーストラックが1着、サンデースマッシュが4着でした。サンダーストラックは1頭違う脚色での差し切りでした。
木實谷:特に残り100mですね。勢いついてからの伸び脚も良かったですし、何より勝ち切ったことが良かったと思います。
サンデースマッシュはジョッキーの話だと、直線で抜け出すスペースはあったようなのですが、ちょっと馬が怖がってしまって入っていけず、外に出したら伸びたみたいです。そういった点を考えると、いろいろなシチュエーションに慣らしながら使っていく必要があるかなと思います。
――同日のダート1200mではカリヨンアヴォンが好位追走から抜け出して1着でした。
木實谷:4コーナーでは前にいた馬の手応えの方が良かったので心配したのですが、最後はよく抜けてくれたと思います。時計も優秀でしたね。
――追い出してからちょっとズブそうなところを見せましたが、距離が短かったというのはありますか?
木實谷:パドックから気性面で心配というか、色々なことに気を取られながらの周回でしたし、そういった外的要因もあったのではないかと思います。
サウジアラビアRC、アイルランドT、JDC出走馬最新情報
――ここからは今週末の出走馬について伺います。サウジアラビアRCにはゾロアストロが出走を予定しています。