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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2023/04/13 (木)

ピッカピカの一年生とランドセル/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

入学シーズンを迎え、初々しい新入生たちの姿を見かけるようになりました。我が家の次女は4月から6年生になったのですが、まだまだ体が小さな新1年生と手をつないで登校していく姿は何とも微笑ましいです。

そんな様子を見ながら、我が子たちに初めてランドセルを背負わせ小学校に送り出した時のことを思い出しました。自分の背中よりも大きなランドセルには、真新しい教科書やノート、筆箱などが詰め込まれ、大人が持ってもかなりの重さです。おまけに両手にはお道具箱や絵の具セットに体操着…。発育途上の娘たちに、なんて過酷なことをさせるんだと思ったものです。

最近の学校保健統計によると、小学校1年生(6歳)の平均体重は、男子も女子も21kg程度。これに対し、ランドセルメーカーが5年前に行った調査では、小学1年生がランドセルに入れる教科書類の平均的な重さは3.6kgで、重い日では4~5kgを超えるそうです。そして一般的なランドセル自体の重さは1.2~1.4kgほど。両手に持った荷物を合わせれば、その重さは5kg以上にもなります。

体重21kgの子供に対して荷物の重さが5kgとすると、小学1年生たちは体重の約24%もの荷物を背負って、平均通学時間片道15分程度の通学路を徒歩で通っていることになります。

近年、教科書が大判化しページ数が増えたことや、タブレット端末の併用もあいまって、ランドセルの重さはますます増えているようです。アメリカの小児科学会によると、子どもの健康を損なわない荷物の重さは「体重の10~20%を超えない」という数値も出ているそうで、抜本的な対策が求められています。

さて、ここでようやく競馬のハナシです(笑)。

競走馬たちが背負っている負担重量は、自分の体重の何%ほどなのでしょうか。今週末行われる皐月賞の出走予定馬を見ると、ダノンタッチダウンの前走・朝日杯FSの出走馬体重が536kgでメンバー中最大。一方、ワンダイレクトの前走・ディープインパクト記念弥生賞の出走馬体重が444kgで最小でした。

皐月賞の負担重量は57kgなので、両馬が前走並みの馬体重で出走した場合、ダノンタッチダウンは体重の約10.6%、ワンダイレクトは約12.8%の負担重量を背負うことになります。「馬体重:負担重量」で単純比較した場合、皐月賞出走メンバーの大型馬と軽量馬では2%の差があることがわかりました。

では、このことが競走能力の発揮に影響するかと言えば、恐らく「NO」です。前走比較で最軽量のワンダイレクトの数値は「馬体重の12.8%」ですが、競走馬の能力発揮の限界となる重量は、その馬の体重の13%以内といわれており、これをクリアしています。少なくとも小学1年生のランドセルよりははるかに軽い負担です。

ちなみに、過去20年で皐月賞馬の優勝時の馬体重を見ると、最大が2004年ダイワメジャーの528kg、次に大きかったのが2017年アルアインの518kgで、これに対する負担重量57kgの割合はそれぞれ約10.8%、約11%でした。

一方、馬体重が最も軽かったのは、2011年のオルフェーヴルで440kg(約13%)、次いで2005年のディープインパクトが444kg(約12.8%)、2008年のキャプテントゥーレが446kg(約12.8%)でした。軽量で皐月賞を制した馬の2頭が、その後クラシック三冠を制覇しているのが興味深いところです。

軽量馬と言えば、350kg台の牝馬メロディーレーンが思い浮かびます。月末の天皇賞春に出走を予定している小柄な彼女の父は、皐月賞を440kgで勝ったオルフェーヴル。一方、天皇賞春で連覇を狙う2歳下の半弟タイトルホルダーは父がドゥラメンテ(皐月賞を486kgで優勝)ですが、去年もきょうだい揃って出走した2022年の天皇賞春出走時の馬体重を比べると、負担重量56kgの姉メロディーレーンが352kg(約15.9%)、負担重量58kgの弟タイトルホルダーは474kg(約12.2%)でした。

多くの人がメロディーレーンを応援したくなるのは、大きなランドセルを背負った一年生を見るのと同じような気持ちになるからなのかもしれません。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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