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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2026/10/29 (木)

ブリーダーズカップ馬券発売レースのポイント/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは「ブリーダーズカップ馬券発売レースのポイント」です。

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いよいよ今週末、アメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップがケンタッキー州レキシントンにあるキーンランド競馬場を舞台に行われます。

キーンランド競馬場でのは開催は4年ぶり4回目。国内での海外馬券発売も5年連続で行われ、特に今年は発売対象の拡大に伴い、これまで発売されなかったレースも含め日本調教馬が出走する5つのレースの馬券が発売されます。

そこで今回は、馬券発売が行われるレースのポイントと日本馬の勝算についてまとめます。


BCダートマイル(D1600m)
11/1(日) 午前3:26発走

▼出走予定日本馬
ロードフォンス(牡6/横山和生/栗東・安田翔伍厩舎)

BCダートマイルの最大のポイントは、キーンランド競馬場の特殊なダートマイルコースです。米国で唯一、1周1700mというダートコースであることから、正面スタンド前からスタート後、150m足らずで1コーナーに入り、ゴールも通常より約56m手前の「オルタナティブフィニッシュライン」となっています。最後の直線は約276mしかなく、内枠、逃げ・先行馬が有利とされます。

主催者想定の単勝オッズ「モーニングライン」の1番人気は、1番ゲートを引いた先行馬ファーザーアドゥ(牡3/F・プラ/B・コックス厩舎)で3.0倍です。キーンランドでは2戦2勝で、特に4月のG1ブルーグラスS(D9F)は11馬身差の圧勝だったことが評価を後押ししています。ただ、特殊なダートマイルコースは初めてです。

過去3回行われたキーンランドでのBCダートマイルは、いずれも1番人気馬が勝利していますが、2015年のリアムズマップは好位からの抜け出し、2020年のニックスゴーは逃げ切り、2022年のコディーズウィッシュは4コーナー手前からのまくり差しでした。

さて、初の海外でのレースとなる日本のロードフォンスですが、国内では1600m戦の勝利はないものの【0-0-1-3】、今回と同じ周回コースは【2-0-1-2】と得意としています。まずは馬場に適応出来るかが重要ですが、ペースが速くなった中、しっかりと脚をため、前走のさきたま杯で見せたような3~4コーナーでの捲り差しを見せられれば、上位に食い込むチャンスも十分にあるのではないでしょうか。


BCスプリント(D1200m)
11/1(日) 午前4:42発走

▼出走予定日本馬
テーオーエルビス(牡5/坂井瑠星/栗東・高柳大輔厩舎)
アメリカンステージ(牡4/O・マーフィー/栗東・矢作芳人厩舎)

今回のブリーダーズカップで最も大本命視されているのが、BCスプリントに出走するイングリッシュマン(牡3/J・オルティス/C・ドゥヴォー厩舎)です。ここまで5戦4勝2着1回の米ダート短距離界の超新星。

スタートがとにかく速く、そのままスピードで押し切るスタイルで、2走前6月のウッディスティーブンスS(D7F)をレコードで圧勝しG1初勝利をあげると、前走8月のHアレンジャーケンスS(D7F)も圧勝してG1を連勝中です。

ゴールデンテンポで今年の米クラシック2冠を制した最も勢いのあるトレーナーとジョッキーのタッグ。モーニングラインは1.8倍という評価をしています。

その唯一の対抗馬と見られているのが、日本のテーオーエルビスです。ここまで9戦6勝3着3回という成績で目下5連勝中。初の海外遠征だった5月のG1チャーチルダウンズS(D7F)は鮮やかな末脚を炸裂させ、2着に3馬身1/4差つける圧勝し、日本調教馬初の米ダート短距離G1勝利をあげました。

今回は約6か月ぶりのレースとなりますが、前回も同様のレース間隔で勝利しており、米国実績十分の人馬で、「Cygames」がスポンサーのBCスプリント制覇を狙います。

また、モーニングラインは31.0倍という伏兵扱いのアメリカンステージですが、去年も現地8番人気という低評価から4着と健闘しています。

なお、BCスプリントは、2コーナー過ぎ向正面からスタートする1ターンコース。最後の直線は約377mと、十分な距離があります。


BCマイル(芝1600m)
11/1(日)午前5:20発走

▼出走予定日本馬
アスクイキゴミ(牡3/坂井瑠星/栗東・藤原英昭厩舎)
ルガル(牡6/O・マーフィー/栗東・杉山晴紀厩舎)

芝のマイル戦BCマイルの最有力馬は、連覇を目指すノータブルスピーチ(牡5/W・ビュイック/C・アップルビー厩舎)。モーニングラインは2.5倍という評価です。

G1勝利数は7を数え、国際レーティングも125ポンドと、現役マイラーの中では世界トップ。来春からの種牡馬入りが決まっており、有終の美を飾ろうと、BCマイル過去4勝のゴドルフィン陣営には余念がありません。

コースは、1周7.5F(約1408m)の芝コースを正面スタンド前からスタートして1周あまりする周回コース。最後の直線は約363mです。デルマー開催だった去年は、2番ゲートからラチ沿いを進み、そのまま抜け出して勝利したノータブルスピーチでしたが、14頭立ての8番ゲートとなった今年はどんなレース運びを見せるでしょうか。

キーンランドのターフマイルコースを得意としているのは、去年は4着だったレトリカル(セ5/J・オルティス/W・ウォルテン厩舎)。同舞台のG1クールモアターフマイルSを去年は差し、今年は逃げて連覇しています。

日本馬2頭の好走のカギは、やはりコーナー4回の周回コースへの対応でしょう。NHKマイルCでロデオドライブとハナ差の2着だったアスクイキゴミは、初の海外遠征に適応できるかも重要です。海外遠征は5回目となるルガルも、マイル戦も、芝の周回コースも初。未知数な要素が多いだけに、良い方に出れば、勝負になるでしょう。


BCターフ(芝2400m)
11/1(日) 午前6:36発走

▼出走予定日本馬
ディープモンスター(牡8/T・マーカンド/栗東・池江泰寿厩舎)

芝12FのBCターフには、凱旋門賞2着のベイシティローラー(牡4/O・マーフィー/G・スコット厩舎)、3着のダイヤモンドネックレス(牝3/C・スミヨン/A・オブライエン厩舎)、同9着のベンヴェヌートチェッリーニ(牡3/R・ムーア/A・オブライエン厩舎)が揃って参戦してきました。

特にベイシティローラーは、17日の英チャンピオンSも出走(オンブズマンの3着)しており、海を渡っての今月3戦目は、体調面が気になるところです。

これに、去年の優勝馬エシカルダイヤモンド(セ6/D・マクモナグル/W・マリンズ厩舎)、G1アーリントンミリオン勝ち馬バーナムスクエア(セ4/B・ヘルナンデスJr/I・ウィルキス厩舎)、愛チャンピオンS勝ちのホタツェル(牡4/S・フォーリー/J・ハリントン厩舎)、ベルリン大賞勝ちのティファニー(牝6/L・モリス/M・プレスコット厩舎)と、今年も豪華メンバーが集結しました。

向正面からスタートして1周半するコーナー6回の3ターンコース。キーンランドで行われた過去3回を見ると、馬券に絡んだ上位3頭は、いずれも9番ゲート以内となっています。

エシカルダイヤモンド1番、ベンヴェヌートチェッリーニ2番、バーナムスクエア6番、ホタツェル7番に対し、ダイヤモンドネックレス12番、ベイシティローラー13番、日本のディープモンスターは大外14番。鞍上のコース取りにも注目です。


BCクラシック(D2000m)
11/1(日) 午前7:16発走

▼出走予定日本馬
フォーエバーヤング(牡5/坂井瑠星/栗東・矢作芳人厩舎)
テーオーパスワード(牡5/木村和士/栗東・高柳大輔厩舎)

そして、BCクラシック。まさに厳選された8頭による頂上決戦です。モーニングライン1番人気は、ティズナウ(2000、2001年連覇)以来、25年ぶり2頭目のBCクラシック連覇を目指す去年のJRA賞年度代表馬フォーエバーヤング。3.0倍です。

そのフォーエバーヤングと、ついに今度こそ、直接対決が実現する去年の米クラシック2冠馬でエクリプス賞年度代表馬のソヴリンティ(牡4/J・アルバラード/W・モット厩舎)が3.5倍。

ダートマイルと使い分けると見られていながら、急転直下、クラシックに2頭出ししてきたゴドルフィンのもう1頭ナイツブリッジ(牡5/L・サエス/W・モット厩舎)が5.5倍。

今年の米クラシック2冠馬で、マグニチュードとの二者択一で主戦のJ・オルティスが選択したゴールデンテンポ(牡3/J・オルティス/C・ドゥヴォー厩舎)が6.0倍。

ドバイワールドカップでフォーエバーヤングに土をつけたマグニチュード(牡4/F・プラ/S・アスムッセン厩舎)が7.0倍。

以下、G1ペンシルベニアダービー勝ちのザプーマ11.0倍、プリークネスS勝ち馬ナポレオンソロ16.0倍、一昨年のケンタッキーダービー5着の鞍上・木村和士騎手と再びコンビを組むテーオーパスワードが31.0倍です。

レースのポイントは展開、流れ、ポジション取りです。ナポレオンソロ、マグニチュード、ナイツブリッジと先行馬が揃う中、ペースは速くなるのかどうか。2番ゲートのソヴリンティと5番ゲートのフォーエバーヤングが、どのような位置取り、コース取りになるのか。

芝レースのBCマイルやBCターフを数多く勝利しているゴドルフィンにとって、メインレースのBCクラシックを制することは悲願。ディフェンディングチャンピオンのを連覇を阻止せんと2頭出ししてきただけに、その包囲網にフォーエバーヤングがどう立ち向かうのか。

また、前がやり合う展開になると、後方で脚をためているゴールデンテンポの出番がやってきます。

米クラシック3冠馬アメリカンファラオが制し、史上初のグランドスラムを達成した2015年。オーセンティックが1分59秒19というレースレコードを叩き出した2020年。そして、8馬身1/4差という伝説の着差でフライトラインがラストフライトを飾った2022年。

必ず偉大なことが起こるキーンランドでのBCクラシック。今年のそれは、フォーエバーヤングの連覇であると信じています。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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