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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2023/07/20 (木)

中京開設記念/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

23日、夏の開催、最終日を迎える中京競馬場では第71回中京記念(G3)が行われます。今年は「中京競馬場開設70周年記念」として行われる中京記念は、1953(昭和28)年8月23日、中京競馬場の開場2日目に「中京開設記念競走」として第1回のレースが行われた中京競馬場最古の重賞です。

そこで今回は、改めて中京競馬場開場までの歴史を取り上げます。去年9月公開の「メイケイエールと名古屋競馬」、今年1月公開の「幻の誘致移転計画」、2月公開の「仁川と中京の意外な共通点」も合わせてお読みいただければ幸いです。


▼参考記事
メイケイエールと名古屋競馬 ~JRAアニバーサリー~/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

幻の誘致移転計画 ~70周年・中京競馬場前史/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

仁川と中京の意外な共通点 ~阪神競馬場誕生史/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ


1907(明治40)年の名古屋港開港以降、近代産業都市へ発展を遂げた名古屋地区は、これをきっかけに競馬倶楽部創設への動きも起こりました。ところがその矢先の1908(明治41)年、政府は馬券禁止令を通達。1923(大正12)年に制定された関係者念願の旧競馬法は、貴族院の強い反対を背景に、競馬場の数を札幌、函館、福島、新潟(関屋)、中山、東京、横浜、京都、阪神(鳴尾)、小倉、宮崎の公認11競馬倶楽部に制限していたため、地元有志は、公認11競馬倶楽部からの誘致・移転を繰り返し計画しましたが、ことごとく失敗に終わりました。

1936(昭和11)年、11競馬倶楽部は解散し、日本競馬会が誕生。また1932(昭和7)年に東京優駿、1938(昭和13)年に優駿牝馬が創設されるなど4歳クラシック競走体系が確立され、競馬の盛り上がりはひとつのピークを迎えました。そして1941(昭和16)年、太平洋戦争勃発。名古屋地区も空襲の被害を受けるなどしました。

1945(昭和20)年8月15日に終戦を迎えると、翌年には東京と京都で戦後初の競馬が施行。さらに翌年には中山・札幌・函館・小倉でも競馬が開催されました。

1948(昭和23)年、競馬法は改正され、日本競馬会は解散。国営競馬と地方自治体による地方競馬の制度が定まりました。1949(昭和24)年には、関西の馬主や財界人によって設立した京阪神競馬株式会社が、米軍による接収で再開のめどが立たなかった鳴尾競馬場を、新たに確保した仁川の地に移転させ、農林省競馬部と賃貸契約を結ぶ形で阪神競馬を再開させました。この動きは名古屋地区の競馬誘致運動に刺激を与えました。

1949(昭和24)年には、愛知県と名古屋市が共同で設立した名古屋競馬場管理組合により、地方競馬の名古屋競馬が一足先にスタートしました。一方、堅実主義を守っていた名古屋の財界は、はじめ中京競馬場誘致に積極的ではありませんでした。競馬に通じていなかった豊田自動織機の豊田利三郎社長は、腹心だった愛知トヨタ自動車の山口昇社長に説かれ、『名古屋が国際都市になるためにも、欧米では立派な社交場である競馬場をぜひとも誘致する必要がある』と考えるに至りました。

1951(昭和26)年2月、豊田氏を中心に名古屋競馬株式会社創立発起人会が作られましたが、翌年6月に豊田氏が急逝。愛知県の青柳秀夫元知事がその意志を継ぎ、1952(昭和27)年、名古屋の政財官の支援によって、名古屋競馬株式会社が設立されました。

メイケイエールのオーナーとしても知られる中京競馬場の所有者・名古屋競馬株式会社は、総工費3億7,799万円をかけ、愛知県豊明市に中京競馬場を建設。1953(昭和28)年7月26日に竣工すると、8月1日、農林省競馬部との間に中京競馬場賃貸借契約を締結しました。また、中京競馬場の完成に先立って名鉄中京競馬場前駅も開設され、いよいよ8月22日、第1回中京競馬が開幕しました。

開場当初の中京競馬場は砂コースしか存在せず、芝コースが新設された1970年以前は中京記念も砂コースで行われていました(1971年は砂コース、1981年はダートコースで施行)。1969年の大規模改築では芝コースの他、スタンドなど開設時の施設のほとんどをリニューアル。1970年10月26日の竣工式は高松宮殿下・同妃殿下をお迎えして盛大に行われました。「高松宮杯」(現在の高松宮記念)は、殿下・妃殿下から優勝杯を賜って創設され、1971年6月27日の第1回のレース当日は、優勝馬の関係者に殿下・妃殿下自ら賜杯を手渡されました。

その後も、1993年のスタンド増改築・馬場改修、2010年のスタンド改築・馬場改造などを経て、今や2つのG1レースの舞台となっている中京競馬場。4年ぶりに本来の地で行われる中京記念には、中京競馬場70年の、いや開設前を含めた100年余りの歴史が詰まっています。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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