プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“ポツンと内に離れて配置された先行馬”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
2月16日 京都11R京都記念 芝2200m
京都記念は京都芝2200mでの施行。初角となる1コーナーまで400mほど距離があるため、先行争いにおいて、内外の有利不利はありません。
登録13頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのが7頭。中距離重賞にしては先行馬が揃っており、メンバー構成的にはロスのない内枠が良さそう。脚質は道中でしっかり脚をためられるタイプが良いでしょう。
1番人気想定はチェルヴィニア。昨年の牝馬二冠馬で前走のジャパンカップでは0.4秒差の4着でした。ジャパンカップでは3-3-6-4と脚をためており、展開面でもマッチしそう。想定1.5倍では単勝で期待値を取るのは難しいですが、このオッズも妥当と思える実績の持ち主です。この馬を◎にして2列目以降を工夫するという手もありそうです。
2番人気想定はソールオリエンス。前走のジャパンカップは14着で、4着のチェルヴィニアから1.8秒遅れを取りました。京都芝2200mに舞台が替わって、変わり身の余地はあると思いますが、想定6.4倍というオッズが見合うかは微妙かもしれません。
3番人気想定はプラダリア。昨年の京都記念を5-4-5-4から差し切り勝ち。その後は馬券内に届いていませんが、国内3戦はG1、G2でいずれも0.4秒差でした。前走海外での大敗でオッズチャージも期待したいところで、初見の印象としては「想定7.5倍は少し辛いな」。ただ、改めてメンバーを見渡すと、実績上位グループとそうでないグループの差が大きく、総合的に狙いやすいのはこの馬かもしれません。
ヨーホーレイクは直近5走がG2、G3で上位3頭よりも格の面で落ちます。前走差しはプラスですが、先行馬が揃ったここでの距離延長ローテは歓迎材料ではありません。
セイウンハーデスは長期休養明けの前走チャレンジCで5着と健闘。この馬も上位人気馬たちとの比較で実績は見劣りますが、その分、人気の盲点になる可能性はありそうです。
魅力的な穴馬が少ない中で、唯一、狙える根拠がある馬を探すなら、距離短縮ローテとなるショウナンバシットでしょうか。渋太さを生かしての善戦があるかもしれません。
メンバー的には、馬券圏内に2頭穴馬が飛び込むのは難しそう。枠と並び、そして馬券の組み方もしっかり考慮して、正解に辿り着きたいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言168
ポツンと内に離れて配置された先行馬
★ピックアップレース★
1月26日 中山11R AJCC 芝2200m良
◎8ダノンデサイル
○9ディープモンスター
▲10ビザンチンドリーム
△16チャックネイト
☆2レーベンスティール
注4ボルドグフーシュ
注11マテンロウレオ
―3連単172万馬券的中の京成杯から一転、AJCCは1番人気のダノンデサイルに◎を打ち、◎→注の決着で馬連29.1倍、馬単37.7倍を仕留めました。まさに変幻自在。
みねた)1番人気でも期待値があれば◎を打ちますよ。このレースは馬の実績と並び、そしてオッズを比較したら◎ダノンデサイルは順当な結論です。
―改めて言語化していただけますか。
みねた)週中展望では、「ダービー1着、有馬記念3着の実績は一枚上で、敗れたといはいえ菊花賞の内容も濃く、このメンバーでは能力は最上位でしょう。2倍台の評価は妥当ではありますが、一般論として18頭立てで2倍前後のオッズが買いにくいのも確か」と書いていました。前年のダービー馬かつ有馬記念3着馬がAJCCに出てきたら、普通は1倍台~2倍台前半になると思いますよね。私もそう考えていました。それだけに、レーベンスティールとほぼ横並びで3倍前後もらえるなら、これは甘いなと。レーベンスティールも能力は高いですが、実績面がダノンデサイルと違いますし、先行馬占有率が低く、スローペース濃厚のメンバー構成だったので、脚をためるタイプという脚質面もマッチしていませんでした。
―レーベンスティールが買われた分、ダノンデサイルのオッズが甘くなったと。確かに、ひと昔前の競馬なら、ダノンデサイルは1倍台になっても不思議ではないと思うので、例えば「前走逃げは期待値が低い」みたいな現代の価値観で厳しく見積もられたのかもしれません。
みねた)理由はわかりませんが、期待値党としては、オッズが甘ければ買うだけですよね。そして何より、今回は並びも良過ぎました。18頭中、前走の通過順位に3番手以内があったのは8、15、16、17、18。もう、これだけで8がダノンデサイルではなかったとしても8番に注目せざるを得ませんよね。
―金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」ですね。
みねた)その通りです。私の展開理論のひとつは「同脚質並びは不利」です。同じ脚質の馬が並ぶと、どうしてもスタート後に横に馬がいる状態になるのでスムーズなレースになりにくい。言い換えると、自分都合のレースが出来ないということですね。特に先行馬が並ぶと、スタートから出していく過程で競り合う形になって消耗しやすくなってしまう。
―ましてや今回は外枠にずらりと並びました。
みねた)5頭の先行馬のうち4頭が並びで、しかも外4頭に配置されるなんて、かなりレアな確率ですよね。外枠になると、内に切り込みながら出していくことになり、外の馬が内に切り込んでくるのであれば、内側の馬も負けずにスピードを出していかなければなりません。どうしてもペースは速くなりやすいですし、ペース自体は上がらずとも、少なからず競る形にはなるので馬にストレスは掛かります。一方、先行馬並びから離れて配置された先行馬は周りに先行馬がいないので、自分のペースで、出たなりの競馬ができます。今回のダノンデサイルはまさにそれ。通過順位こそ7-7-7-5なので「先行していないじゃないか!」と思う方もいらっしゃると思いますが、先行するしないに関係なく、周りの影響ではなく、出たなりでポジションを取れること自体にアドバンテージがあるのです。
―「ポツンと内に離れて配置された先行馬」、このパターン、しっかり覚えておきます。
みねた)実は同日のプロキオンSのサンデーファンデーも同じパターンだったんですよ。前走の通過順位に3番手以内があったのは1、12、15の3頭で、サンデーファンデーが1枠1番でした。
―こちらはサンデーファンデーがハナを奪って逃げ切り勝ち。
みねた)3着だったドゥラエレーデの3番人気は相当甘かったので後悔は無いですが、サンデーファンデーの並びの良さも感じていただけに、単勝2点買うという選択をしても良かったのかなと思います。
―WIN5のキャリーオーバーで盛り上がった週の東西メインの単勝を取れていたら、確かにインパクト大でしたね(笑)。そうだ、せっかくなので、WIN5についても少し語っていただけますか?
(次回に続く)