中央競馬は、現在、中山競馬場と中京競馬場の2場で開催されています。この2つの競馬場、どちらも頭の文字が「中」で、ちょっと紛らわしいことは競馬ファンなら誰もが1度は思ったことがあるはず。
競馬新聞などの馬柱によっては場名を頭文字1字で表すものも多く、中山を「中」、中京は「名」としているものが多いです。でも名古屋競馬場も「名」と示していますし、そもそも中京競馬場があるのは名古屋市ではなく豊明市です。
馬柱問題は、レイアウト等の進歩によって改善されることを願って、一旦、置いておきます。ただ「中山」「中京」紛らわしい問題は私たち競馬キャスターにとっても頭痛の種でして、「中山」と言うべきところで「中京」と言ったり、その逆をしてしまうことが後を絶ちません。原因は第一に、フロアディレクターさんから出されるカンペを読み間違えてしまうこと、第二にフロアディレクターさんのミスで出されるカンペ自体が間違っていること、この2つです。
そもそもカンペに頼ってしまっていることが良くないことで、常に次に伝えることが、どこの競馬場の情報かを念頭に置いておくことが大切です。それでも、人間がやること、どうしてもミスは出てしまいます。
そこで、私個人で工夫しているのが、手元の資料の「色分け」です。
競馬場ごとに色を変えて競馬場名に色を塗るようにしています。例えば、「中山」は青色、「中京」は橙色という具合です。字面は一見、見間違えやすい「中山」と「中京」も、色分けすると全く違って見えます。この工夫は私が始めたのですが、今ではグリーンチャンネルの他のキャスターたちにも広まっています。
さて、「色分け」と言えば、皆さんの競馬ライフに欠かせない「スマート出馬表」です。サンデー系は黄緑、ノーザンダンサー系は水色、ナスルーラ系は赤・・・という「色分け」をはじめ、様々な情報が「色分け」されています。私も「スマート出馬表」と出会った時、この「色分け」の工夫によって、今までにない情報のわかりやすさに感動しましたし、同時に、私の競馬中継の資料作りと共通するものを感じ、嬉しく思いました。
溢れんばかりのたくさんの情報を、効率よく的確に収集するために、それらをいかに整理するかが大切なのは、競馬ファンも、競馬キャスターも同じです。それを実現するために亀谷さんが「スマート出馬表」の中で「色分け」という工夫をしたように、私にとっても(レベルは違いますが)日々の中継資料作りで「色分け」の工夫は欠かせません。