今週と来週は「阪神競馬場」を舞台にG1が行われます。今週は牝馬3冠の最終戦・秋華賞、来週はクラシック3冠最終戦・菊花賞。いずれも本来ならば京都競馬場で行われるところ、京都競馬場が開場100周年の記念事業として大規模改修中のため、今年は阪神での開催となります。
去年の11月から始まった京都競馬場の改修は2024年3月に完了予定ですが、京都開催の休止は2023年の3月までの予定なので、秋華賞と菊花賞は来年まで阪神競馬場を舞台に行われます(現時点で来年の開催競馬場は未定)。そこで今回と次回は、仁川を舞台に行われる秋華賞・菊花賞について掘り下げようと思います。今回は「仁川の秋華賞」です。
今年で82回目を数える菊花賞は、かつて1979年、スタンド改築のために1度だけ阪神競馬場で行われたことがあるのですが、エリザベス女王杯の古馬開放に伴い1996年に生まれた秋華賞は、過去25回、京都以外で行われたことはありません。
京都の芝2000mと阪神の芝2000mの違いは、皆さんよくご存知かと思います。どちらも正面スタンド前からのスタートですが、ホームストレッチが平坦な京都に対して、阪神はスタート直後に高低差2mの急坂があります。京都は向正面半ばから3コーナーにかけて3mほど上った後に下って最後は平坦なのに対し、阪神は1~2コーナーとバックストレッチはほぼ平坦、3コーナー過ぎから直線半ばまで緩やかに2m分下って、ゴール前に下った分を100mあまりで一気に上る急坂が再び待ちます。同じ内回りの2000mでも、コースレイアウトが変わることで、どんな違いがあるのか。予想する上での重要なファクターですよね。
そして、もう一つ。京都の芝2000m内回りコースのフルゲートは18頭であるのに対し、阪神の芝2000m内回りコースのフルゲートは16頭です。秋華賞の四半世紀の歴史上、フルゲート割れとなったのは、除外が出た2014年と取り消しが出た2018、19年の3回だけ。いずれもレースは17頭で行われたので、今年はレース史上初めて16頭以下の頭数で行われることになります。
一方で、阪神の芝2000mのG1と言えば大阪杯がありますが、大阪杯がG1に昇格して以降、16頭立てのフルゲートとなったのは、スワーヴリチャードが勝った2018年の1回のみ。フルゲートとなる公算が高い今年の秋華賞は、それ以来の16頭立てで、仁川の芝2000mを舞台にしたG1が行われることになりそうです。