ミクソロジーが宝塚記念を回避するとお聞きした時は、正直寂しかったです。
まだ馬体に幼さを残しながら、長距離のオープン・万葉S → G3・ダイヤモンドSをレコードで連勝。そこから少し休ませ、天皇賞・春を使うために調整を始めた頃、少しずつ身体が成長してきていました。
坂路でもトモがグッと入ってくるようになって…。こういう成長期は、きっと本人がいちばん戸惑います。人間の成長期だって、今までと違う体の動きについていけなくなったりしますよね? ミクソロジーも多分そうで、後ろの脚がグッと前に踏み込めるようになったことで、前脚を引っ掛けてしまった感じなのだと思います。
右前の爪負傷で天皇賞・春は回避。でも、懸命な治療と厩舎でしっかり休ませたこと、そして日々のケアにより宝塚記念を使えるくらいにまで回復していたんです。だけど、G1を使うとなれば生半可な仕上げでは不可能。目に見えない疲労がもう片方の脚に蓄積されていたようで、大事をとって今回も回避となりました。
『まだ4歳ですし無理はさせられません。将来のある馬なので、しっかりと休ませ、完全に回復してから、また一緒に上を目指していけたらと思います』。この辻野調教師のお言葉を大切に、彼が戻って来てくれる日を待ちたいと思います。
そして、辻野厩舎には決して忘れてはならない、もう1頭の宝塚記念出走馬、カラテがいます!!
▲宝塚記念に出走するカラテ(父トゥザグローリー)
前走の鳴尾記念は直線で前が壁。マトモに追えなかったこともあり9着でしたが、陣営は『生真面目な馬なので、(宝塚記念に向け)コーナー4つの競馬場でうまく折り合えるかなどを確かめたい、という思いもありました。昨年秋にジャパンCを使ったときは結構噛んでいる感じでしたが、今回はちゃんと折り合えていましたよ。収穫もきっちりありました』と。ただ負けたというだけでは終わらせていませんでした。
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。