宝塚記念の前のディープボンドは、競馬ファンに愛されている“こしあんボディー”と少し違いました。筋肉のシルエットが身体に刻み込まれて見えると言うか、普段よりさらに研ぎ澄まされていたんです。
あの時はイクイノックスが栗東に滞在していて、その圧倒されるようなオーラ、“馬の形からして違う”と思わせてくるような迫力に恐れ慄いたのですが…。それでも今のディープボンドなら! と思わせてくれるような、追い切りの動きもあったんです。だけどあの日は、ジェラルディーナの早めのマクりに自身のペースが乱れてしまったような面もあり、悔しい悔しい結果となりました。
その中でも最後まで伸び続けていたタフなレース。流石のボンドにも疲れが見られたため、夏場は完全休養がもらえることになったようです。
ただ、競走馬はアスリート。一旦緩んだ身体を「重賞で戦える身体」に戻していくのは、陣営の並々ならぬ努力が必要だったと思います。
帰厩後、すぐはポッチャリ体型でしたが、6歳ということもあり急激な立ち上げはできなくなっているので、じっくりじっくり時間をかけて調整されていました。それでも、2週前の時点ではまだ本来のディープボンドとまでは言えない感じ。でもそこからの上昇具合が素晴らしかったんです。
これぞ“ディープボンド”な走りを!/大スポ・赤城記者の栗東トレセンレポート
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。