YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは12/11(水)の川崎・全日本2歳優駿。発走時刻は20時10分です。
~日本競馬で唯一の2歳ダートGI~
日本競馬で唯一の2歳ダートGIである全日本2歳優駿。2022年優勝馬デルマソトガケはその後UAEダービーを制し、BCクラシックでも2着。2023年優勝馬フォーエバーヤングはその後UAEダービー、ジャパンダートクラシックを制したほか、ケンタッキーダービーやBCクラシックでも3着に入るなど、近年は世界に繋がる登竜門として大注目の一戦です。
全日本2歳優駿は馬体重が重い馬が有利で、これは本レースに限らずJRAの阪神JFでも朝日杯FSでも同様の傾向。2歳マイルGIでは素質面でも成長面でも馬体重が重いという点が大きな強みとなっています。特に人気薄好走馬(単勝オッズ30倍以上)全5頭はいずれも馬体重が480kg以上。牡馬なら480kg以上、牝馬なら460kg以上は欲しいところです。
◆馬体重別成績
~459kg(2.1.0.22/25)
460~479kg(1.0.2.37/40)
480~499kg(4.6.6.24/40)
500kg~(3.3.2.20/28)
~底力と機動力が求められる川崎ダ1600m~
全日本2歳優駿は過去10年の前後半3F平均ラップが36.4-40.1の前傾3.7秒。川崎ダ1600mはスタートから1角までの距離が500mと長いため先行争いが激化しやすく、全日本2歳優駿ではハイペース戦になることがほとんどです。
また、急コーナーの川崎競馬場らしく器用さも求められるため、ハイペース戦に耐えられる底力と小回りコースをこなす機動力が求められる一戦となっています。
血統面ではNureyev≒Sadler's Wellsが大活躍。過去5年の3着内馬15頭中9頭が同血脈を内包しており、2019年3着ティーズダンク(9番人気)、2020年3着ルーチェドーロ(8番人気)、2021年3着プライルード(11番人気)、2023年3着サントノーレ(7番人気)などの人気薄好走馬も多数輩出しています。
Nureyev≒Sadler's WellsはNantallahのパワー、ForliのLady Juror的持続力、Mahmoud≒Mumtaz BegumのMumtaz Mahal的スピードや瞬発力、Hyperionのスタミナ、と弱点の少ないオールラウンド血統で、特にNureyevにおいては世界各国で芝とダートを問わず、スプリンターから凱旋門賞馬まで多様な活躍馬を輩出しました。
Royal Charger系やNasrullah系の日本の主流種牡馬との比較では瞬発力に劣るため、日本においてはパワーや機動力、持続力などが表面化することが多いですが、その特徴が川崎競馬場では大きな強みとなっています。
◆Nureyev≒Sadler's Wells
2014年1着ディアドムス:父ジャングルポケット
2014年3着タイセイラビッシュ:父カンパニー
2015年2着レガーロ:母父Lemon Drop Kid
2017年2着ドンフォルティス:母母父エルコンドルパサー
2018年3着ガルヴィハーラ:Nureyev≒Sadler's Wellsの3×5
2019年1着ヴァケーション:父エスポワールシチー
2019年2着アイオライト:母父オペラハウス
2019年3着ティーズダンク:Nureyev≒Sadler's Wellsの4×5・4
2020年3着ルーチェドーロ:母母母父Kingmambo
2021年3着プライルード:父ラブリーデイ
2022年2着オマツリオトコ:父ヴィットリオドーロ
2022年3着ペリエール:母母父エルコンドルパサー
2023年1着フォーエバーヤング:父リアルスティール
2023年3着サントノーレ:父エピカリス
【全日本2歳優駿の最終見解】