YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは4/29(火)の大井・羽田盃。発走時刻は20時5分です。
~穴馬の共通点は“先行馬”~
長らく南関東三冠の一冠目として行われてきた羽田盃ですが、2024年からはJpnIに格上され、日本競馬におけるダート三冠競走の初戦として開催されることになりました。今年が2年目のシーズンになります。
前哨戦の雲取賞ほどではないものの、スタートから1角までが300mと短めのため比較的早めに先行争いが収まりやすいのが大井ダ1800m戦の特徴。過去10年では4番人気以下の3着内馬14頭中10頭が初角5番手以内という傾向にあり、2022年のようなハイペース戦や2024年のような少頭数戦にならない限りは先行馬に穴馬が隠れている可能性が高いでしょう。
~Wild Againの先行粘着力~
血統面でも雲取賞と同じくトランセンドやパイロといったWild Againの影響を強く受け継ぐ種牡馬の活躍が目立ちます。Wild Againは父Icecapadeから非凡なスピードを受け継ぎつつ、Nearcoの3×4やHyperionの4×3からスタミナ面を強化した北米血統では異質な存在。先行力と終盤でバテない粘り強さが魅力の血筋で、日本の種牡馬ではトランセンドやパイロ、ジャスタウェイなどがこの血を引いています。
◆Wild Again
2016年1着タービランス:父パイロ
2018年3着ハセノパイロ:父パイロ
2019年1着ミューチャリー:父パイロ
2020年1着ゴールドホイヤー:父トランセンド
2021年1着トランセンデンス:父トランセンド
2021年3着ランリョウオー:父パイロ
2022年1着ミヤギザオウ:父パイロ
~大井ダ1800mのトレンドはNureyev~
ほかではNureyevの血にも要注目。これは砂の入れ替え後の大井ダ1800m重賞での人気薄好走馬の多くが内包している血で、昨年の羽田盃でも4番人気2着のアンモシエラ(母がNureyevの3×3を保持)が該当しています。Nureyevの血もWild Againと同様にNearcoとHyperionのインブリードを持っており、3/4同血のSadler's Wellsよりもスピード面で優れている点が特徴的。より馬力が求められるようになった新しい砂にも合っているのではないでしょうか。
◆Nureyev ※2023年11月以降の大井ダ1800m重賞
2024年雲取賞3着サントノーレ:父エピカリス
2024年ブリリアントC2着ヒーローコール:父ホッコータルマエ
2024年羽田盃2着アンモシエラ:母Nureyevの3×3
2024年黒潮盃2着シシュフォス:Nureyevの4×6
2024年黒潮盃3着ムットクルフェ:母Nureyev≒Fairy Kingの4×4
2024年勝島王冠1着キングストンボーイ:父ドゥラメンテ
2024年勝島王冠3着パワーブローキング:母母Nureyev≒Sadler's Wellsの3×2
2025年雲取賞1着ジャナドリア:父ゴールドドリーム
2025年雲取賞2着グランジョルノ:父ゴールドドリーム
2025年ブリリアントC1着キングストンボーイ:父ドゥラメンテ
2025年ブリリアントC3着グリューヴルム:母母父Nureyev
【羽田盃の最終見解】