毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・日本ダービー回顧、出走3頭の思惑と結末
・ラジオNIKKEI賞&函館記念出走馬最新情報
・今週末デビュー予定の2歳馬最新情報
日本ダービー回顧、出走3頭の思惑と結末
――今回は日本ダービーの振り返りからお願いします。パントルナイーフ、惜しかったですね。皐月賞14着から見事な巻き返しでした。
木實谷:皐月賞は競馬をしていなかったですからね。3コーナーで前から後退してきた馬の真後ろに嵌まってしまい、ルメール騎手も直線はノーステッキで流して、追い切って帰ってきたぐらいの感じでしたから。
――状態自体はどうだったのでしょうか?
木實谷:前回を使った分の効果はあったと思います。レース中盤でリアライズシリウスが動く展開になりましたが、折り合い面も良く、最後までしっかりと走ってくれましたし、今回に関しては勝った馬が色々と上回っていたということだと思います。
残念ながらレース後に右前膝の骨折が判明し、6月4日に手術を行ったのですが、無事に処置も済んだと聞いていますし、ここからの順調な回復ぶりを願うばかりです。
――スプリングSからの直行になったアウダーシアは11着でした。
木實谷:距離延長で良いポジションが取れると思ったのですが、スタートしてからそもそも馬が進んで行かず、思惑とはかなり違う形になってしまって、誤算でした。
未勝利を勝った時は2~3番手でかかるぐらいの行きっぷりだったのに、ここ2戦行き脚がつかなくなっているのが、ちょっと気になります。
――皐月賞5着のフォルテアンジェロは12着でした。レース前の当欄では距離の心配をされていましたが。
木實谷:前走に続いてゲート内での駐立が悪く、注意を受けてしまいました。追い切りの段階から、良く言えばキンキンに動くようになっていましたが、悪い意味ではちょっと気がはやるようになっていたので、それがゲートでの所作や競馬にも影響が出てしまった印象です。
最後に失速していますし、根本的にもやはり距離が長かったですかね。
――春を迎えて状態はかなり上がっているとのことでしたが、距離を含め、秋に向けてはいかがでしょうか。
木實谷:使う度に行きっぷりがどんどん良くなっていますし、今回の追い切りでもゴーイントゥスカイに「おいでおいで」していたくらいで、そのゴーイントゥスカイが4着ですからね。そういう意味でも、能力負けというより適性負けなのかなと思っています。
ただ、それ以前にゲートを何とかしないと。次やると再審査になってしまうので、まずは落ち着いてレースに臨めるよう、取り組んでいきたいと思います。
――ダービー後に行われた目黒記念ですが、こちらもウィクトルウェルスが惜しい2着でした。
木實谷:内容を見ると、序盤の行きっぷりも悪かったですし、最後の100mで止まってしまったので、重め残りがあったと思います。ハンデ差はあったとはいえ、去年のゆりかもめ賞で負かした相手(ファイアンクランツ)に逆転されてしまったのは残念でした。
白富士Sで負けたダノンシーマを逆転したのは良かったですが、こちらは逆にハンデをもらっていましたからね。ちょっと馬の力を出し切れなかったという印象ですね。
ラジオNIKKEI賞&函館記念出走馬最新情報
――ここからは今週末の出走馬について伺います。ラジオNIKKEI賞にはスペルーチェが出走を予定しています。今回が初のマイルを超える距離になります。
