プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「ディープインパクトの後継種牡馬」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬: 当コラムの第111回でグレーターロンドンの話をしましたが、今回はディープインパクト系種牡馬全体についての私見を述べたいと思います。
──それは興味深いですね。よろしくお願いします。
双馬: 先日行われたセレクトセールの当歳セッションで、コントレイル産駒が最高価格の5億2000万円(税別)で落札されましたよね? 3位タイの3億3000万円(税別)、8位(牝馬では1位)の2億8000万円(税別)もコントレイル産駒で、結局7頭が税別1億円を超えました。
──さすが無敗の三冠馬コントレイルですよね。
双馬: あれを見て僕は驚いたんです。だって、コントレイル産駒はまだ競馬で走ったことがないんですから。
──期待が大きすぎるということですか?
双馬: コントレイルは確かにスーパーホースでしたが、価格が跳ね上がりすぎじゃないかなと思ったんです。コントレイルがディープの正当な後継種牡馬になるのかもまだわかりませんし。
たとえば、サンデーサイレンスの牡馬のなかでディープが一番強かったというのはみんな納得していると思います。でも、ディープの牡馬で一番強かったのはどれか? となると意見が分かれると思います。
成績上はコントレイルなんでしょうけど、ポテンシャルはリアルスティールのほうが高かったかもしれないし、ちゃんと育っていたらシルバーステートのほうが強かったかもしれないし、グレーターロンドンがノーザンファームで育成されていたらものすごく強かったかもしれません。
サンデーの仔に限らずともディープインパクトが最強馬だと考える人は多いでしょう。しかし、コントレイルが最強馬だったと考える人はいるでしょうか? 同じディープの仔とすれば牝馬のジェンティルドンナ、同じ時期に走った大物という意味ではアーモンドアイのほうが強かったと考える人も多いのではないでしょうか? つまり、後継としては有力ではあるものの、絶対的な能力で他を圧倒したという印象はないということです。
今回僕が言いたいのは、ディープの二世種牡馬はたくさんいるけど、結局どれが一番かなんてわからないんじゃないの? ってことなんです。
──なるほど。
双馬: 参考資料として、主なディープ系種牡馬の勝ち上がり率を挙げます。対象は現3歳馬で集計期間は7月30日までです。