プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「グレーターロンドンの凄いクセ」です。
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双馬: 今週はグレーターロンドンのクセについてお話ししたいと思います。
──現3歳世代が初年度産駒ですから、1年で見つけたわけですね?
双馬: はい。意外なクセでしたけど、血統構成を見たら納得でした。種付け料が上がったのに満口になったように、これから良質な産駒も増えてくると思うので、先にクセを知っておけば何かと得だと思いますよ。
──「グレーターロンドンだから狙おう!」という人はまだいなそうですもんね。是非解説をお願いします。
双馬: まず、グレーターロンドンって血統と競走成績がディープインパクト産駒のなかでは例外的なんです。
ディープ産駒の成功配合は、アメリカ血統か南米血統の繁殖牝馬につけることで仕上がりを早くして、ダービーに間に合わせるというものです。ただ、そういう配合の馬は古馬になると硬さが出て、キレ味が鈍ることが多いんです。
──クラシックで活躍したディープ牡馬が古馬になって弱くなるというのは何度も見ています。
双馬: でも、そうしないとダービーに間に合わないので、それ以外の配合だと種牡馬になれる確率が下がります。そういう意味で、母系が欧州血統のグレーターロンドンは希少価値があります。母父のドクターデヴィアスは英ダービー馬で、かなり本格的な欧州血統ですから。
しかも、現役時代の戦績を見ても、最後までキレ味が鈍っていません。これだけ柔らかさとキレ味を残したまま引退したディープ産駒は珍しいんです。
──6歳の京王杯SCで上がり32秒5の脚を使っていますもんね。
双馬: 能力的にも他のディープ系種牡馬に劣っていないと思います。3歳2月にデビュー勝ちして、2戦目に2200mの山吹賞を取りこぼしましたけど、そこから安田記念に出走するまで5連勝するわけですから、これは能力が抜けていないとできません。安田記念でもサトノアラジン、ロゴタイプ、レッドファルクスと僅差で、イスラボニータには先着していますから。
──蹄葉炎と戦いながらの競走生活で、能力全開じゃなかった可能性だってありますよね。
双馬: そもそもかなりの良血ですからね。母のロンドンブリッジが桜花賞2着で、姉のダイワエルシエーロがオークス馬、甥のキセキは菊花賞馬です。
このように「欧州血統」「キレ味を持ったまま引退」「良血」というのは、ディープ系種牡馬のなかではかなり稀な例で、種牡馬として成功する可能性も高かったんです。まぁ、僕はここまでになると思っていませんでしたから、完全な後付けなんですけど(笑)。
──馬券に関してはこれからが大事ですから。クセを教えてください。