プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「馬券特化型の2歳戦診断(7月13日~7月21日分」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:今回も2歳戦診断をしていきたいと思います。化け物候補が出てきましたので、そこにも注目していただければと思います。「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S: 重賞級の馬が複数存在
A: 重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B: 1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C: 平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D: 低レベル、勝ち上がる馬少ない
E: 低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも、芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
7/13 函館11R 函館2歳S 芝1200 良
勝ち馬:サトノカルナバル
双馬:函館2歳Sは馬場が悪くなったり、時計が掛かり過ぎたりして、あまり能力通りに決まらないことが多いんですけど、今年は新馬戦の内容が良かった馬がそのまま上位に来るという珍しい結果になりました。
サトノカルナバルは新馬戦の相手が弱かったので「次走は様子見の方がいい」と言いましたが、前日に単勝オッズを見たら4倍くらいついていて、このオッズならと本命にしました。
全兄のジャスティンスカイは芝長距離を得意とする友道厩舎の管理馬なのに、初めての1200mで勝つくらい短距離適性が高い馬ですし、堀厩舎が1400mで下ろして、2戦目に1200mを選択するというなら、サトノカルナバルもそういう馬なんでしょう。実際、追走が2秒以上速くなったのに問題なく追走できていました。
逆に言えば、これだけ短縮ローテに反応するということは延長ローテは苦手な可能性が高いので、次走は凡走する恐れがあります。おそらく朝日杯FSまでは延長ローテでいくと思うので、そうなると走りどころが難しいですね。
ただ、能力は高いと思うので、短縮ローテや同距離ローテで出てくるときは穴になるかもしれません。例えば、京王杯2歳S、朝日杯FSと続けて凡走したら、たぶん穴馬扱いになりますよね。そうなれば馬券的には面白い存在になるはずです。
2着ニシノラヴァンダ、3着エンドレスサマーは思ったよりペースが速くならず、新馬戦を圧勝したときとほぼ同じペースで先行できたのが大きいですね。4着ヤンキーバローズは位置取りが後ろすぎて苦しかったですし、5着カルプスペルシュは新馬戦がドスローだった分、対応するのに手間取りました。なので2、3着と4、5着は入れ替わる可能性があります。
▼ピックアップレース(2)
7/13 小倉5R 2歳新馬 芝1800 良
勝ち馬:マジカルフェアリー
評価:C
双馬:マジカルフェアリーがキレ味を発揮して勝ちました。サートゥルナーリア産駒はパドックを見ていてもやっぱり素軽くてキレ味系が多いですね。
マジカルフェアリーは母父ヘニーヒューズですけど、キレ味があって、ダートは走らないんじゃないかと思うような馬体です。そう考えるとサートゥルナーリアがダート馬を出す可能性はかなり低いんじゃないかと思います。Habitatに、Sadler's Wellsに、スペシャルウィークですからね。ダートの要素がほぼないので、芝に特化している種牡馬と言えそうです。
逆に、パワーが求められる競馬は苦手だと思います。