プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「菊花賞展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は菊花賞の展望をお願いします。まずは今年のポイントから教えてください。
双馬:ポイントはやはり、三冠を狙うロブチェンの取捨なんでしょうね。ただ、僕の常識が通用しないスーパーホースなので、偉そうに語ることができません(苦笑)。とにかくダービーが強くて、あれを見てからすべてが分からなくなりました。今回も本命にはしませんが、消すこともできないので、仕方がなく2列目に入れようと思っています。
──神戸新聞杯は辛勝でした。
双馬:スローペースの割には上がりも出ていないですし、レースレベル的にはかなり疑いを持っています。瞬発力勝負でロブチェンが勝ったという点からも、相手が弱い可能性が高いと思います。
──やはり疑ってはいるんですね(笑)。
双馬:馬券的には飛ぶ可能性もあると思っていますよ。距離で負けるパターンと、馬場や枠順で負けるパターンですね。実は3000mが苦手だったという結果になっても驚きませんし、枠の有利不利が出たときに跳ね返せるほど強くはないと思っていますから、高配当の可能性は捨てません。
──2番人気はダノンヒストリーになりそうですね。
双馬:ダノンヒストリーが勝った新馬戦はハイレベルで、2着のアウダーシアがスプリングSを勝ち、3着のグリーンエナジーが京成杯を勝っています。新馬戦らしくない持続力勝負になって、時計も1分46秒8と優秀でした。
東スポ杯2歳Sは「エピファネイアの2戦目」で不安でしたが、出遅れて全くレースになりませんでした。ただ、それでも1秒しか負けていないんですよね。東スポ杯2歳Sはこの世代の2歳戦の中でもトップレベルのレースだと思いますから、その時点で能力の高さを証明していました。
長期休養明けで臨んだ1勝クラスはメンバーに恵まれましたけど、2勝クラスは平均レベルあったなかで1.3秒差ですから、やはり強いですね。今回も特にマイナス要素が見当たらないので評価しなければなりません。
あとは馬場と展開です。母方の血統がアメリカンなので良馬場の方が良いと思います。ただし、瞬発力勝負は向かないので、早めに進出して後続に脚を使わせるような競馬にしたいですよね。先行争いが激しくなると厳しいですけど、ルメール騎手ならうまく乗ってくれそうな気がします。
──3番人気以下はオッズに開きがありそうなので、ここからは穴候補を挙げてください。
双馬:僕が注目するのはコントレイル産駒です。
──9/2公開の「コントレイルの凄いクセ」を紹介した際、菊花賞はコントレイル産駒を買いたいとおっしゃっていましたもんね(詳しくは第271回を参照)。
双馬:まずはコンジェスタスです。コントレイル産駒を代表するような特徴の馬で、キレ味はないけどスタミナや持続力があって、延長ローテに強いタイプです。条件に合致した京都新聞杯は強かったですよね。イメージとしてはディープボンドに近くて、後続に脚を使わせて、みんながバテたら出番という感じです。
ダービーも延長ローテではあったんですが、キレ味勝負になったので9着に敗れました。それでも0.4秒差ですからね。神戸新聞杯は6着でしたけど、スローペースでのキレ負けなので許容範囲だと思います。この2戦で人気が下がるならむしろ狙い目でしょう。
高速馬場だと、かなりハイペースにならないと持続力勝負にはならないと思いますが、雨が降って道悪になればその可能性も高まります。
──同じコントレイル産駒、ゴーイントゥスカイはいかがでしょうか?
双馬:ゴーイントゥスカイも延長ローテで青葉賞を勝って、短縮ローテのセントライト記念は6着に敗れました。しかも、セントライト記念は稍重でしたから、母父がアメリカンなゴーイントゥスカイにとっては馬場が向きませんでした。
今回、良馬場であれば巻き返す可能性が高くなります。ただ、内先行しか来れない高速馬場になると厳しいので、差せる良馬場が理想です。
──マジョレルブルーもコントレイル産駒です。
双馬:こちらは短縮ローテで勝っているので積極的に狙いたいとは思いませんが、トーセンラーやスピルバーグが出た一族なので、ヒモ穴として押さえると思います。
──コントレイル産駒以外の穴候補も教えてください。
双馬:バステールですね。母父のアルデバランIIが延長種牡馬で、血統通りに延長で好走して短縮で凡走していますから、3000mへの延長は好材料だと思います。
改めて見ると、ダービーの内容が凄いんですよ。1000m通過直後からマクッて行ったんですが、そこのレースラップが12.2-12.1なので、バステールだけ11秒台で走っていることになります。2017年のレイデオロのマクリと同じように見られがちですけど、レイデオロがマクッて行ったときのレースラップは13.3-12.5ですから、あれとは全然別物なんです。それで3着に残るのは相当スタミナがないとできないことです。
──無謀なマクりになる可能性もあったということですか?
双馬:並の馬だったら惨敗していてもおかしくないと思います。これは見落とされがちな強さの証明だと思うので、実はバステールがこの世代で一番強い可能性まであると思っています。
あとは馬場ですけど、ゴーイントゥスカイと同じで差せる良馬場が良いですね。内有利の馬場なら、内に入れられる枠じゃないと厳しいでしょう。
他には、チャリングクロスはクロワデュノールの全弟になりますけど、タフな馬場になったら注意が必要です。
ショウナンハヤナミは神戸新聞杯は残念な負け方でしたけど、若駒Sまでに見せたパフォーマンスは文句のつけようがないですし、レイデオロは延長向きですから穴で押さえる分には良いと思います。
次回(10/28公開予定)に続く。
(取材・文・構成=「オーパーツ・パブリッシング」 編集K3)
