競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
ジョッキーズファイル第8回は、横山武史騎手を取り上げます。
今年はエフフォーリアで皐月賞&天皇賞(秋)、さらにタイトルホルダーで菊花賞を制覇するなど、今や若手の域を超え、トップジョッキーの仲間入りを果たしたといえるのが横山武史騎手。
果たして飛躍の秘訣はどこにあるのか? 馬券的な狙いどころはどこなのか? 掘り下げてみたいと思います。
~ブレイク前にも見せていた戦略家の片鱗~
そもそも横山武史騎手については、ブレイク前からすでに活躍の予兆があったように思います。少々手前みそにはなりますが、昨年の4月発売の拙著『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』にて、以下のように記しました。
『実は筆者がひそかにブレイクを期待しているのがこの横山武史騎手です。(中略)現状は平場が中心ですが、例えばローカル2000m重賞や中距離のハンデ戦などで一撃がありそうな予感がします。まだ名前が売れていない今のうちに、上手く儲けておきたいジョッキーの一人です』
もっとも、これは威張れるものではなく、結果的にはローカル重賞どころか予想をはるかに超える大ブレイクでした。
なぜ、ブレイクを予見できたのか? それは騎乗パターンのバリエーションの豊富さです。