競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「芝の中長距離戦の乗り替わり」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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本題に入る前に、先週取り上げた5人はたくさん活躍してくれましたね。詳細は「サロンハイライト」で取り上げていただいたので繰り返しませんが、この5人には今後も春~夏の競馬で大いに注目してください。
さて、先週は東西でクラシックに向けて楽しみな馬が権利を獲りました。
青葉賞を勝ったのはゴーイントゥスカイ。鞍上の武豊騎手にとって東京芝2400mは庭のようなものですから、乗り替わりの効果も大きかったと思います。今年の皐月賞は必ずしもダービーに繋がる内容ではなかったので、本番でもチャンスがありそうです。
そしてフローラSを制したのはラフターラインズ。こちらも武藤騎手→藤岡佑騎手と来て今回がレーン騎手ですから、いうまでもなく鞍上強化でした。直線鮮やかな末脚で1馬身1/4突き抜ける好内容で、桜花賞上位勢には距離不安があると考えると、本番でもかなり有力でしょう。
さらに海の向こうでは、マスカレードボールが順調な今季初戦を迎えました。クイーンエリザベス2世Cを制したのはロマンチックウォリアーでしたが、マスカレードボールもよく追い詰めて2着。3着ソジー、4着ロイヤルチャンピオンというハイレベルなメンバー構成で、上々の内容でした。
今年は世界に挑むのか、あるいは国内になるのかわかりませんが、どの路線に行っても好勝負になりそうです。
~乗り替わり効果が大きい芝中距離以上~
さて、先週の東西トライアルは前述通り、乗り替わりの2頭が勝利しましたが、そもそも芝中距離戦は鞍上によるパフォーマンスの変化が大きい条件です。どの条件でも大きいのですが、短距離だとそもそも馬自身のスピードやパワーがモノをいうケースも多いですし、ダートにしても同様です。
一方、芝の中距離戦はそもそも馬のスタイル自体が大きく変わるケースも多々。先週でいえばゴーイントゥスカイは、デビュー戦では押して3番手の位置を取っていましたが、今回は中団から末脚を生かす形での差し切りでした。
「芝中長距離戦は鞍上変更の効果が大きい」
というのは明らか。一方で、ファンの意識はそこに追い付いていないので、オッズには反映されません。
例えば、“芝中長距離王”としてすっかり認知されたルメール騎手ですが、前走ルメール騎手が騎乗した芝中距離馬が今回乗り替わりの場合、そのマイナスがしっかりオッズに反映されるかといえば、そうでもありません。以下のデータをご覧下さい。
