競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
前回取り上げた坂井瑠星騎手、先週末は遠くドバイの地で快挙を成し遂げてくれました。バスラットレオンとともにゴドルフィンマイルを制覇。レース後は馬上で流暢な英語も聞かせてくれました。これはかつての日本人ジョッキーではなかなか考えられなかったことです。技術だけでなく、意識の高さや向上心も垣間見ることができた瞬間でした。
さて、今回も若手ジョッキーを取り上げます。ターゲットは、富田暁騎手です。
~ダンディズムから感じた四位騎手っぽさ~
富田暁騎手といえば、第一印象はデビュー時に目標騎手として四位騎手の名前をあげていたことでした。もちろん四位騎手は素晴らしい技術を持った超一流ジョッキーでしたが、なんとなく富田騎手のこだわりを感じた瞬間でした。
実際の騎乗を見ていても、やはり四位騎手っぽさを感じます。馬の呼吸を感じ、リズムを重視し、直線はビッシリ追える。でもめったに逃げはしないし、レースの調和は乱さない。
先週、ダンディズムとのコンビで御堂筋Sを制しましたが、その内容も四位騎手っぽさを感じました。道中はじっくり溜めてロスなく待機、直線弾ける…
『あ、なんかイコピコっぽい』
と、今から約12年半ほど前に、同じ阪神芝2400mの神戸新聞杯を制した四位騎手騎乗馬のことを思い出しました。
~差しが得意な騎手の良い面と悪い面~
つまり、富田暁騎手は積極策を売りにする若手ではないということです。実際、そんなにガツガツと逃げることは多くない。
この戦略は良い面と悪い面があります。