競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
今週末からいよいよ秋競馬。開幕週は、注目のセントウルSが行われます。というわけで、今回は早速セントウルSの展望を、騎手視点からしてみたいと思います。
というのも、恐らくメイケイエールと人気を分け合いそうなソングラインに関しては、少し気がかりな面があるためです。ソングラインの鞍上はルメール騎手。ルメール騎手は昨年の紅梅S、そして今年の1351ターフスプリント以来、3度目の騎乗。過去2戦2勝ですからもちろん相性が良い。
ただひとつ考慮したいのは、
「騎手と馬の相性は距離や馬場次第で変わる」
ということです。
どういうことか。ソングラインは安田記念勝利の他、東京マイル重賞で実績を積み上げているマイラーです。今回が初のスプリント戦となるわけですが、スプリント戦への対応という点で考えると、ルメール騎手がプラスに働くかは微妙なところ。
ルメール騎手は外国人騎手ですが、騎乗スタイルはどちらかといえば日本人騎手寄りの「リズム重視型」。だからこそ、日本競馬で覚醒し、瞬く間にトップジョッキーになったわけです。
リズム重視型の騎手は、馬のスタミナを温存すること、末脚を引き出すことに長けており、具体的には距離延長時に結果を出すことが多い。先日のキーンランドCも直線競馬を使われた後という難しいシチュエーションで、テン乗りのヴェントヴォーチェを操って見事勝利に導きました。レイデオロで挑んだダービーで、スーッと位置を上げて押し切ったシーンを思い浮かべる方も多いでしょう。
それは反面、短距離でスピードを問われる競馬や、テンからのスピードを求められるようなダート競馬ではモロさを見せるということ。印象的なのは昨年のエルムS。当時1番人気を集めたルメール騎手騎乗のアメリカンシードは、揉まれたらアウトという馬。ところが、好スタートを決めたにも関わらずアッサリハナを譲ってしまい、14着に大敗。以後、精彩を欠いてしまっています。
ソングラインは初のスプリント戦に加えて、今回は開幕週の馬場への対応という難しさもあります。ソングラインを買えるかどうかの目安は馬場状態と枠順。開幕週で前が止まらない、内が伸びる馬場になるとやや危険。枠順も、本来であればルメール騎手は外枠が得意ですが、今回に関していえば極端な外枠は避けたいところです。
~セントウルSの注目コンビ~
そんな中で、ジョッキーとの相性という意味で注目したいのはこの馬です。