競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週から秋競馬がスタート。開幕週のセントウルSは、当コラムで懸念材料に触れたソングライン=ルメール騎手が、直線外から伸びてはきましたが、明らかに距離不足を思わせる内容で不発でした。
先週も指摘した通り、ルメール騎手は前走よりもテンが緩む距離延長で強い反面、強引さはないため距離短縮やテンが忙しい競馬は不向き。そもそも短距離よりは中長距離に強いジョッキーなので、距離短縮&スピード一辺倒の開幕週の短距離戦というのは最も危ない条件でした。
今回飛んだのは必然といえば必然ですし、この後の距離延長(米国へ遠征予定)を考えれば、負け方としては悪くない内容だったのかもしれません。
~騎手視点からセントライト記念を展望する~
さて、今週末は3日間開催。台風の進路も気になるところですが、今回はセントライト記念の展望を騎手視点からしてみたいと思います。
今回はアスクビクターモア、ローシャムパーク、ショウナンマグマの3頭について。
▼アスクビクターモア(田辺)
恐らく1番人気。田辺騎手が騎乗するようになってから4戦2勝、ダービー3着と出世街道を歩んでいます。田辺騎手の長所はとにかく馬のリズムを損ねずに走れるところ。半面位置取りへのこだわりがあまりないので、前進気勢に乏しい馬だと展開や馬場荒れ待ちになりがちです。昨年当レースを制したアサマノイタズラなどは、まさに展開待ちがハマったわけです。
その点、アスクビクターモアは自ら先行する脚がある馬。田辺騎手とはベストコンビで、同騎手にありがちな展開待ちにもならないのは大きな強み。かなり有力でしょう。
死角があるとすれば前半部分でロスを被るような競馬、具体的には内寄りの枠+台風の影響で馬場が悪化というような条件が重なったケース。そうでもない限りは、田辺騎手は中山芝中長距離もとにかく上手いので、人気でも素直に買いです。
▼ローシャムパーク(ルメール)