競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週の毎日王冠は、サリオスが勝利、2着にはジャスティンカフェ。どちらも本コラムで取り上げた馬で…といえば誇らしいことのようですが、残念ながら今回はネガティブな意味で取り上げた2頭でした。
というわけで気が重いのですが、回顧は的中の母…だと信じて少し振り返ります。
サリオスに関しては前走の安田記念こそすべての条件が揃っていたと書きましたが、今回はベストともいえる1800mで本領発揮。また、外国人騎手が合うタイプとしましたが、松山騎手は自在な立ち回りで馬群を割ってきました。
それにしても松山騎手、ノリにノッています。特に9月以降だけで早くも重賞4勝。ロンドンプランやヴェラアズールのように鋭く差し脚を伸ばすレースもあれば、今回のサリオスや先日のスプリンターズS・2着のウインマーベルのように堅実な馬群捌きも見せてくれます。
松山騎手はあまり本コラムで取り上げていないのですが、理由はハッキリしています。それは…
「自在性があって上手いから」
です。臨機応変な対応をするジョッキーは頼もしい反面読みづらい。それだけ騎乗馬についてよく考え、準備をして乗っていることの証でもあります。今後も、特に頭脳戦になる重賞戦線では狙っていきたいジョッキーです。
2着のジャスティンカフェは、横山典騎手が騎乗してきたプラスの面が大きく出た印象です。同騎手の騎乗馬は総じて操縦性が上がります。また、馬に負荷をかけないので余力も残っています。先週のコラムで、乗り替わりのメリットとして以下のように書きました。
「負荷を与えない騎乗で馬の気持ちにゆとりがあり、折り合い面でも操縦しやすくなっている」
今回のジャスティンカフェも難しいイメージのある馬でしたが、横山典騎手の騎乗が活きた印象です。この件に関しては福永騎手と安田翔調教師も触れていました。
福永騎手「これまでに(馬が)教わったことが結実した」
安田翔調教師「折り合いも、春に(横山典)ジョッキーがよく教えてくれたことが伝わったそうで、3~4角でギアを上げるのも一気に跳ね上げず、適度に加速していった」
ステラヴェローチェやクールキャットなども折り合いの難しい馬でしたが、横山典騎手が騎乗した後に活躍しました。
乗り替わられた馬が走る、というのは字面だけ見ればよくないことのようですが、横山典騎手は良い教育者でもあるということを再認識しました。
~秋華賞の騎手展望~
さて、今週は秋華賞の展望を騎手視点からしてみたいと思います。
今回はアートハウス、ウォーターナビレラ、ナミュールの3頭を取り上げます。