競馬評論家・TAROによる、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラムです。なお、『競馬放送局』ではTAROの厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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先週の当コラムでは、3鞍組まれていた中山芝2200mに触れ、オススメ騎手として田辺騎手とバシュロ騎手を挙げました。そして最初の中山芝2200m(土曜最終R)で田辺騎手騎乗の10番人気ハイエスティームが勝利し、「傾向通りじゃん!」と半ば的中を確信しながらAJCCはバシュロ騎手騎乗のラーゴムに本命を打ったのですが、あと一歩及ばずの4着。
勝った岩田康成騎手のノースブリッジは、最近にしては珍しく2年以上も在厩調整を続けられている馬。調教にも跨った上での継続騎乗&内枠というのは岩田康誠騎手の勝負パターンでもあり、今回見事に結果を出しました。昨年は全46勝のうち重賞8勝という勝負強さを見せてくれましたが、今年も「重賞ハンター」は健在のようです。
さて、今週は…というよりも最近少し気になるジョッキーがいるので取り上げてみたいと思います。
美浦所属で2022年デビューの▲水沼元輝騎手です。
水沼騎手は先週ゴールドレコーダーに騎乗し7番人気で勝利。これが通算2勝目で、結果を出しているとは言い難い現状です。ただ、妙に気になるんですよね。まだ1年目なのでもちろん未熟な面も目立つのですが、
「デビューから10カ月あまり経過して2勝」
という響きから来るイメージと実際の騎乗には良い意味でギャップがあります。伸びしろ&穴ジョッキーとしての魅力があるので、現時点で感じていることをまとめておきたいと思います。やはり「未来を見据える」のが競馬(馬券)の楽しみでもありますから。
1.徐々に慣れて来て上昇気配
水沼騎手の騎乗数は先週末終了時点で通算117鞍。条件は異なるとはいえ、今村騎手は同期間で645鞍、角田大河騎手は637鞍ですから、その差は顕著。若手の起用に積極的ではない関東同世代の中でも、佐々木騎手の299鞍の半分以下です。
それでも徐々に慣れて来たのか、昨年暮れの中山新馬戦ではイン差しで穴、今年に入ってからは7鞍の騎乗で2連対と存在感を示しています。
2.立ち回り勝負への対応力
前述した今年に入ってからの2連対はいずれも小倉芝。イースターエッグは今年最初の小倉芝戦でしたが、積極的にハナを奪うとそのまま粘り込み。先週末のゴールドレコーダーで挑んだ未勝利戦では、道中はインの好位でジッと我慢すると、直線は馬群を捌いて抜け出しました。
力の劣る馬で結果を出すためには、
「前に行く」
「内を突く」
という工夫が必要になりますが、それを実行できている点は見所があります。(同様に立ち回りが上手い)丹内騎手が目標というのも納得の騎乗ぶりです。
3.意外と追える?