競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「ルメール騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
早速ですが、今回は改めてルメール騎手について取り上げてみたいと思います。ルメール騎手は、今年の1回東京開催において24勝の活躍。これはひと開催の最多勝利記録ということで、大きく話題を呼びました。これまでの記録が21勝だったことを考えると、大幅な記録更新です。
もっとも、近年のルメール騎手は、どちらかといえば全盛期と比べると陰りが見えて来たといわれています。2017年から5年守り続けたリーディングの座も2022年は川田騎手に明け渡し、様々な事情があるにしても2021年の199勝→109勝と大きく数字を落としました。
海外競馬メディア『At The Races』のインタビューにおいても、「やがてフランスに戻るか、日本にこのまま滞在するか考えなくてはならないときがくる」と話しており、キャリアもそろそろ終盤に差し掛かっている印象です。あくまでも憶測の域を出ませんが、かつてのように何が何でもリーディング、という姿勢ではなくなって来ているのではないでしょうか。
さて、そんな状況のルメール騎手、実は我々馬券ファンにとっては狙いやすい状況になっています。というのもつい数年前までは本当にいつでもどこでも持ってくる、だけど人気にもなる、という非常に悩ましい存在でした。しかし、近年は明らかに得意条件が偏っており、得意条件では人気に応える、あるいはそれ以上にキッチリ来る一方、苦手な条件では明らかに人気先行になる、という傾向になっています。