競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「田口貫太騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週は亀谷競馬サロン@水道橋にゲスト出演して参りました。東京ドームの最寄り駅でもある水道橋駅はWBCで盛り上がっており、改札前の特設グッズ売り場に長蛇の列ができていました。そんな喧騒を抜け訪れたサロン内も、負けず劣らず競馬好きの皆さんの熱気がムンムン。予想は一進一退でしたが、亀谷さん、そしてサロンの皆さんと議論を深めることができ、やはりリアルでいろいろお話しできるのはいいなと改めて感じました。置かれていたパーテーションも取られて、これまで以上に深い議論を楽しめそうです。
さて、今回取り上げるのは桜の季節にふさわしい新人騎手です。先週日曜日の中山最終レースでは小林勝太騎手が9番人気アメトリーチェとのコンビで逃げ切り勝ち。3月デビューの騎手の中で勝利一番乗りを果たしました。
この時期のルーキー騎手は基本的にファンも手探りです。派手なデビューを飾った三浦騎手や、デビュー時から話題豊富だった今村騎手でもない限り、人気面では控えめになりがち。しかし、だからこそ馬券を買う上ではチャンス。データ頼りではなく、データが出揃う前にアナログで得た知見をどんどん活かして特徴を掴んでいくことが大切です。
前置きが長くなりましたが、今回は▲田口貫太騎手を取り上げたいと思います。
~ルーキーらしからぬ“差し”に注目~
田口騎手は、現時点で2週を終えJRAではまだ未勝利。しかし、先日の笠松では連日の勝利を挙げたほか、中央競馬でもデビュー戦で2着するなど3度馬券に絡む活躍を見せています。
通常、ルーキー騎手といえばやはり減量を活かしての積極策が武器。初勝利を挙げた小林勝騎手のように、短距離での逃げが一番の狙いどころです。
しかし、田口貫太騎手の騎乗を見ていると、むしろ脚を溜めることが多い。初騎乗で2着に突っ込んできたクリノクリスタルでは外から伸びてきましたし、ズブいスタミナ型のタマモモンレーブとのコンビでも、直線しぶとく伸びて7番人気3着と好走しました。
レースぶりを観ていても強引に先行するシーンはほぼなく、むしろ脚を溜めることを意識しているように見えます。