競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは角田大和騎手です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
大阪杯は武豊騎手が騎乗したジャックドールが勝利。スタートからスッと先手を取ってマイペースに持ち込む騎乗は見事でした。
武豊騎手は今年に入ってから逃げ馬での活躍が目立っており、先月のチューリップ賞ではモズメイメイで逃げ切り、2月の中山記念でもドーブネに騎乗し3着に粘らせるなど、重賞での勝負強さも光ります。以前のようにジョッキーの名前だけで人気するケースが減ってきている分、妙味も増しています。
さて、今週はその武豊騎手に憧れて騎手になったという若手ジョッキーを取り上げます。角田大和騎手です。先日の毎日杯では弟・角田大河騎手が初重賞制覇を飾りましたが、兄・大和騎手も負けず劣らず活躍中。2年目の昨年は41勝と勝ち星を増やしており、今後の飛躍を期待されている若手ジョッキーです。
もっとも、現状はまだ平場での活躍が中心。特徴、強み、そして弱点はどこにあるのか? 早速、探っていきましょう。
~強気な仕掛けが売りのパワータイプ~
現在3年目に突入した角田和騎手ですが、騎乗スタイルは若手騎手らしく積極的&パワースタイルです。そして、強気な若手騎手のイメージ通り、芝よりダートでの勝ち星が上回っており、2023年になってからも全9勝のうち8勝がダートです。
▼2023年角田大和騎手 芝ダート別成績
芝【1-7-2-62】単勝回収率25% 複勝回収率79%
ダ【8-6-6-53】単勝回収率89% 複勝回収率101%
ちなみに逃げ切りでの勝利も1年目の1勝から2年目は9勝と増加。徐々にコツを掴んできていることが成績の向上にも繋がっています。デビュー当初は多かった制裁点も今は随分と減りました。腕を上げてきているのは間違いありません。
もっとも、積極的とはいえガンガン逃げ争いに加わるわけではなく、どちらかといえば好位から強気に動く、あるいはマクっていくパターンが多く見られます。先週末の競馬で2勝目を挙げたマテンロウガイとのコンビでも、2勝はいずれも外から動くマクリ。この辺りはヒシミラクルで再三マクリを打ちG1を勝利した、父・角田晃一元騎手の影響もあるのかもしれません。コンビで唯一3勝を挙げているブルーロワイヤルでも、3勝すべて馬群の外から強気に動いて行く競馬でした。
また、芝レースでのこれまでの勝率が4.5%にもかかわらず、芝2600mでは既に4勝、勝率17.4%をマークしているのも見逃せない傾向です。ダートでも短距離より1700mや1800mのほうが好成績。芝2600mやダート1700m&1800mは比較的マクリが決まりやすい舞台ですから、“大和スタイル”がハマるのかもしれません。