競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回は横山武史騎手の分析とフローラSのジョッキー展望をお届けします。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
皐月賞は横山武史騎手騎乗のソールオリエンスが、控えて大外に持ち出す好騎乗で1着。直線の豪快な末脚はダービーへと繋がるものを感じました。
基本的に最終週の外伸び馬場における内枠は不利ですが、それを克服するための方法は2つ。
1つは荒れたインを覚悟の上で突くこと。ただこれはノメらせない技術が必要で、JRAの中では全盛期の内田騎手やデムーロ騎手にしかできない芸当。2012年の皐月賞、ゴールドシップの「ワープ」も内田騎手だからこそできましたし、先週不利な内から伸ばして来たショウナンバシットの好走もデムーロ騎手だからこそ。ちなみにデムーロ騎手はかつてネオユニヴァースで制した日本ダービーや、コパノリチャードで制した高松宮記念も同様に「荒れ馬場のイン突き」でした。
となると2つ目の作戦、「控えて外に出す」ということになるのですが、これも思い切りの良さや馬場読み力がないとできないこと。横山武史騎手はスタート直後に一気に外に持ち出したことで、最内枠ながら走りにくい内側をほぼ走らずに済むことができました。枠を見て消してしまった自身の予想を反省するとともに、改めて、
「中山芝中長距離の横山武史」
を実感するレースでした。
ちなみに、同騎手の今年の重賞3勝は、以下の通りすべて中山芝中長距離戦です。
京成杯(中山芝2000m)
スプリングS(中山芝1800m)
皐月賞(中山芝2000m)