競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「藤岡康太騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週の日本ダービーは◎タスティエーラが勝利。この馬はレーン騎手が騎乗すれば変わる…と言い続けて来たので、大一番で待望のコンビ結成が叶い、結果も出たことは大きな喜びでした。改めて、騎手と馬の相性は大事だと実感した一戦でもありました。
騎手の特徴を理解することは馬券で有利になるのは当然として、ある意味ファンと騎手双方が幸せになることでもあります。
「騎手は期待するより利用せよ」
一見、冷たいように聞こえるかもしれませんが、過度に期待して怒りをぶつけるくらいなら、特徴を掴んで買うか消すかの出し入れをするほうが、より健全な関係を築けるはずです。今後も騎手の特徴を見つめ、本コラムを通じてお伝えできればと思います。
それと、これは余談なのですが、2023年の日本ダービーでは、最内枠のゲートとラチの空きスペースが1頭分に変わっていました。昨年までは2頭分のスペースがあり、枠の連結部は10~11番枠の間に設置されていましたが、内の空きが1頭分になったことで連結部分もひとつズレて11~12番枠の間に。12番枠のタスティエーラにとってはこの変更も強運だったと思います。
亀谷サロンのコラムでもおなじみで、今度新刊も発売されるみねた氏もよく書かれていますが、競馬は1キロ、2キロ走って数センチを競う競技。したがって、ちょっとした枠の並びやわずかな変化が大きく結果を左右します。来年以降の日本ダービーは枠の運用にも注目です。
~兄以上に勝負強い? 決め打ち系穴ジョッキーの藤岡康太騎手~
さて、今回は藤岡康太騎手です。当コラムも気づけば86回目となりますが、まだ取り上げていませんでした。
藤岡康太騎手は2009年、ジョーカプチーノとのコンビで初G1制覇。兄・藤岡佑介騎手よりもずいぶん早く大一番で結果を出しました。持ち味は逃げ差し問わず一発を狙った決め打ち、特に穴馬で怖いジョッキーです。
近年の中で印象深いのは2021年の京都大賞典、マカヒキで制した一戦でしょうか。レースは4コーナーで既にムチが飛ぶ厳しいものでしたが、馬群を思い切って突くとしぶとく伸びて勝利。ダービー制覇から約5年半、感動の復活劇をアシストしたのは藤岡康騎手の手腕でした。