競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「鷲頭虎太騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週のレパードSで狙った北村友一騎手のエクロジャイトでしたが、スタートから淀みない流れになり追走に苦労、出ムチを入れてようやく好位につけたくらいでしたから、その時点での消耗が激しかったですね。結果、持ち味であるしぶとさを活かすに至らず4着に終わってしまいました。
一方、勝ったライオットガールはスッと2番手につけると直線難なく抜け出し勝利。同馬については前走田中健騎手が騎乗で、今回は岩田望来騎手。田中健騎手は基本的に買えないジョッキーですから、前走同騎手で3勝クラス4着という上々の成績からの鞍上強化という点を、大いに見直すべきでした。最終的には対抗までしか印を打てず、歯がゆい決着。
最近はAI予想が影響力を増していますが、その一方でAIに取り入れにくい要素でもある騎手というファクターは、思ったほど人気に影響を与えない印象があります。とりわけ「前走の騎手」というのはより見えづらくなるので、わかりやすい「スーパー鞍上強化」はオッズ面でも狙いなのかもしれません。このことは近いうちに取り上げたいと思っています。
~明暗が分かれる2年目、鷲頭騎手~
さて、夏競馬で狙える騎手シリーズ、今回は鷲頭虎太騎手を取り上げてみたいと思います。
鷲頭騎手は2年目。いわゆる、「今村聖奈世代」の一人です。もっとも、今年でいえば20勝の今村騎手の倍、40勝を挙げている佐々木大輔騎手の世代と言ってもいいかもしれません。
騎手にとって2年目というのは明暗が分かれる時期です。慣れが見込める上に減量特典もある、そこで一気に飛躍するパターンは昔から多く見られます。佐々木騎手も昨年は僅か9勝だったのが、今年は既に40勝。年末まで順調なら相当勝ち星を伸ばす勢いです。
また、関係者やファンにとっても、騎手の2年目というのは評価が少しずつ固まってくる時期。実際はそこで決まることもないのですが、ある程度勝てる騎手、勝てない騎手が明確に分かれ始めるのは事実でしょう。
さて、そこで鷲頭騎手です。鷲頭騎手は1年目7勝、2年目の今年もココまで7勝。どちらかと言えば伸び悩んでいる印象です。では、下手かと言えば決してそんなことはないと思うんですね。実際、当コラムで昨年の夏に一度取り上げています。その際には以下のようにまとめました。