競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「横山典弘騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週末、天皇賞(秋)は様々なところで語りつくされていると思いますので、こちらのコラムではまず「ルミエールオータムダッシュ」のお話をしたいと思います。
ルミエールオータムダッシュ、本命に推奨したのは◎カイザーメランジェでした。理由はいろいろありますが、やはり最後のひと押しは菊沢騎手。「直線の菊沢」は、もはや当コラムをご覧いただいている皆さんに改めてご説明するまでもないと思いますが、今年最後の直線競馬でも完璧なコース取りでした。
直線競馬はもちろん枠順が大事なのですが、それと同じか、それ以上にジョッキーが大切。有利な枠を生かすのも、「カニ歩き戦法」で、不利な枠を帳消しにするのも、それはジョッキーの力。しかもそのジョッキーの力は必ずしもリーディングの順位とは比例せず、直線には直線の判断力が重要になります。むしろ実績のある騎手ほど激しい競り合いや狭いところへの突っ込みを避ける傾向が強いので、結果として、通常のレースとは異なる、「直線マスター」が誕生するわけです。
菊沢騎手の2023年の直線競馬の成績は以下の通り。
直線×菊沢騎手(2-4-0-11)複勝率 35.3% 複勝回収値 187円
しかも、合計17頭に騎乗し1~3番人気馬はゼロ。もちろん、これは驚きでもなんでもなく、事前に予測できることでした。
ちなみに、僕の秋の直線競馬6レースにおける本命馬(もちろんすべて事前公開)の成績は以下の通りでした。
◎14アジアノジュンシン 10番人気1着
◎16アイムファイン 8番人気3着
◎8ロッキンドア 13番人気9着
◎18ビレッジスター 8番人気3着
◎16キュベリン 2番人気2着
◎14カイザーメランジェ 13番人気1着
直線の予想は、データより、アナログでの隊列の読みが大切になります。ヒモ抜けも多々あったので、また来春の新潟開催で、さらに進化した予想をお見せできればと思っています。しばらく先になりますが、楽しみにお待ちください。
~最近増加傾向、あの騎手の逃げ〜
さて、今回はちょっと最近気になるジョッキーを取り上げたいと思います。横山典弘騎手です。
既に以前取り上げていますから「今さら?」と思われるかもしれませんが、少々気になることがあったためです。それは、しばしば見られる「ノリ逃げ」についてです。
「ノリ逃げ」とは何か……って、今回付けたキャッチコピーなので特に捻りもなく横山典騎手の逃げのことなんですが(笑)、どうも最近増えてきたように思えるのです。
そこでまずは調べてみました。2020年以降、横山典騎手の逃げ率をご覧ください。