競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回は「ホリー・ドイル騎手」を取り上げます。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週は亀谷競馬サロンにゲスト出演。オーロカップでは◎グランデマーレが好位から押し切って7番人気で勝利。エリザベス女王杯はサッパリだったのですが、少しは見せ場を作れたかなと思います。グランデマーレは小林凌騎手から津村騎手への鞍上強化。シンプルですが、鞍上強化作戦は馬券にも有効ですね。
さて、今回はイングランド出身のホリー・ドイル騎手にスポットを当てます。ドイル騎手は昨年に続いての2度目の来日。今回も、夫であるマーカンド騎手とともにやって参りました。
~苦戦した初来日~
ドイル騎手はイングランド出身の27歳。欧州では2022年のディアヌ賞(フランスオークス)をナシュワとのコンビで制するなど、既にG1を複数回勝利。現在の厳しい来日要件をクリアしているように、欧州では既に名の知れたジョッキーでした。
ただ、初来日の昨年はやや苦戦していました。秋の東京、そして中山と中央場で騎乗していましたが、やはり欧州とは勝手が違うのか、約2カ月の騎乗で2勝。1~3番人気(1-4-3-5)と勝ち切れないシーンが目立ちました。
全体的に早仕掛け傾向が目立ち、レヴールとのコンビで初勝利を挙げたレースでも、最後は伏兵の差し馬に詰められていました。やはり、スピードが出る日本の馬場と、スタミナを要する欧州、とりわけイギリスの馬場とは相当条件が違ったのでしょう。特に芝では苦戦傾向で、昨年は(0-4-5-48)。結局勝てずに終わってしまいました。
初来日の際には、
『the prize money is extortionate!!』(賞金がとんでもなく高い!) ※
と興奮気味に話していたドイル騎手ですが、思うようにはいかない初来日だったかもしれません。
※日本でデビューできる騎手は恵まれていますね。
~初のローカル参戦で本領発揮!〜
そんななか、迎えた2度目の来日。前回の印象もあったため半信半疑で見ていましたが、見事に変わり身を見せました。参戦1週目から3勝の固め打ち。初来日だった昨秋は2カ月で2勝でしたから、これは紛れもなく進化の証でしょう。