競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「ルーキー・長浜鴻緒騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
桜花賞はモレイラ騎手騎乗のステレンボッシュが勝利。長い手足と関節の柔らかさを生かしてスムーズに脚を溜める技術はワールドクラスですが、桜花賞でもその持ち味を存分に発揮してくれました。馬自身も、またジョッキーも距離が延びた方が良いタイプでしょうし、このコンビでオークス参戦となればかなり有力でしょう。
負けた組の中では、こちらも距離延長歓迎と思えるスウィープフィートの脚が光りました。順調にオークスに出走してくるようなら巻き返しに注意したいです。
さて、今週は早速ですがルーキージョッキーを取り上げてみたいと思います。先週4勝の固め打ちをした、美浦・根本厩舎所属の長浜鴻緒騎手です。
まずはルーキー騎手なので簡単なプロフィールを。長浜鴻緒(ながはま こう)騎手は、青森県出身の18歳。憧れの騎手は柴田善臣騎手とのこと。もしかすると同じ青森県出身ということも理由の一つかもしれません。
所属する根本厩舎といえば丸山騎手や藤田騎手、野中騎手などが所属しており、大変明るく面倒見も良い印象があります。G1級の馬が多数所属するわけではないですが、むしろじっくり腕を磨ける良い環境かもしれません。
先週4勝の固め打ちをしたことにより、同期の中では頭一つ抜きん出た通算5勝をマーク。ルメール騎手が不在だったり、3場開催に加えて有力騎手が関西に行っていたりなど環境面でのアシストがあったとはいえ、中央場所でこれだけまとめて勝ち切るのは偶然とは思えません。というわけで、どこよりも早く、特徴を探っていきたいと思います。
~「データが出揃う」必要はない~
ところで、特徴を見極める際に、
「サンプルが足りない」
「データが出揃っていない」
というのはよく言われる話です。これは騎手であれ種牡馬であれ、コースであれ同じです。ただ、それは数字から物事を見極めようとする欠点でもあります。(競馬に限らないことですが)データは必ずしも正しく状況を反映するわけではないので、現状見えているものから想像力を働かせることも大切です。
そこで、まずは長浜騎手がこれまでに挙げた5勝の内容を振り返ってみます。