競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「永野猛蔵騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週日曜の直線競馬は◎クムシラコが勝利。さすが杉原騎手。外枠を活かすには少しの溜めが必要なんですよね。そこが上手い。2~3着には外枠の若手騎手が入線して、上位人気3頭の決着。それでも3連複は4,590円ですから、獲れた方には美味しい配当だったのでは?
僕はヒモが微妙にズレて本線とはいかなかったですが、直線競馬の傾向としてはだいたい想定通り。新潟はまだ3週ありますから、引き続き直線競馬でガンガン儲けたいですね。
~パワー系とリズム系~
ところで、パワー系とリズム系って言葉をこのコラムではよく使うんですが、先週はわかりやすい例があったので少しご紹介します。
まずリズム系の最高峰ともいえる武豊騎手ですが、日曜札幌9Rの桑園特別で勝利したガビーズシスター。この馬は武豊騎手にめちゃくちゃ合いますね。
アポロキングダムの産駒ってもともとダート馬なのにピュッとキレるタイプが多い(かつてのアポロビビなどが好例)ので、今の差しが届く札幌のダートにもピタッとハマりました。
逆に関屋記念のサクラトゥジュール。この馬は佐々木騎手がまったく合わなかったですね。佐々木騎手はガッツのあるパワー系なので、神経質なタイプに騎乗すると溜めが利かず脚を使い切ってしまう典型のようなレースでした。こういうタイプは田辺騎手系が良いです。
そして、小倉記念を制したリフレーミング。キングヘイロー産駒のこの馬はパワー系ジョッキーが合うタイプ。究極のリズム系ともいえる丸田騎手から川田騎手への乗り替わりは大きな戦力アップでした。
直線外に持ち出してからグッとギアが入る感じは、川田騎手の腕に尽きますね。もともと急坂でコーナー4回の2000mなら日本一上手い騎手ですが、改めてその力を見せつけてくれました。
そんなわけで、僕の立場でこんなこと言うのも変ですが、
「騎手の特徴観てたらだいたい馬券獲れるんじゃないか」
という気がした先週末でした。まぁ、当ててから言えってのもわかるんですが、それってつまらない気もするんですよね。馬に乗ったこともない奴が、当たる前に言う、これも大事なんですよ(笑)。
~今夏プチ・ブレイクの永野騎手はパワー系の若手~
というわけで、今回のターゲットである永野猛蔵騎手。年明けに1か月弱、ケガでの離脱がありながら先週末時点で21勝と、減量は取れたもののキャリアハイを目指せるペースです。果たしてどんなタイプなのでしょうか。