競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「盤開催や荒れた芝で買うべきジョッキー」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週のコラムではラストのところでワールドオールスタージョッキーズに触れたのですが、やはり今年も例年通り差しが届きましたね。全4戦の勝ち馬の枠と位置取りは以下の通りでした。
第1戦:8枠14番、初角6番手
第2戦:3枠3番、初角10番手
第3戦:4枠6番、初角8番手
第4戦:7枠11番、初角11番手
ワールドオールスタージョッキーズは開催終盤に加えて前掛かりになりやすく、内枠の先行馬は不利で、差しが届きやすいという傾向通りでした。来年も今の形での開催ならば、同様のパターンが続くと思います。
~開催終盤の荒れた芝や道悪の芝ではどんな騎手が有利になる?~
さて、今週末はニュースでも報じられている通り台風が接近していますね。進路に該当する皆さま(といっても日本全国ほとんどだと思いますが)、注意して過ごすようにしましょう。
競馬にも大いに影響が出ており、木曜に予定されていた佐賀のサマーチャンピオンは日曜への順延が決定しています。JRAも特に進路に該当する中京の開催は心配です。また、仮に開催されるとなっても、馬場への影響は免れないでしょう。
そこで今回は開催終盤+悪天候ということで、そういった道悪や荒れ馬場で買うべきジョッキーをご紹介したいと思います。今後も同様のケースでは使えると思いますので、是非頭に入れておいてください。
具体的な名前を挙げる前に、荒れた馬場で買える騎手というのはどういうタイプなのでしょうか?
★ノメらせない技術がある
やはり、これがまずは一番でしょう。良馬場とは異なり、荒れた芝では表面がボコボコして走りづらい。そういった状況でも、バランスを崩さず、馬を走らせる必要があります。昔でいえばデムーロ騎手がそうでした。ネオユニヴァースで制した日本ダービーやコパノリチャードで制した高松宮記念など、道悪ゆえに各騎手が避けるインをただ一頭押し上げて抜け出して来るのは十八番でした。
デムーロ騎手に関してはどうしても過去形になってしまうのが寂しいところですが。
★馬場を読める
馬場読み力は良馬場時以上に重要になります。ひと口に道悪や荒れ馬場といっても、必ずしも外が有利になるとは限らない。今年の高松宮記念などは典型的で、雨が降ったものの終わってみればインが有利になり、内ラチで我慢をした組が上位を占めました。通常の良馬場時よりは伸びどころがわかりづらくなるため、より騎手の頭脳や馬場読み力を問われることになります。
★ガッツがある
道悪競馬では馬のみならず騎手のガッツも重要になります。通常よりは決め手を削がれるので、そんな中で諦めない気迫が最後にモノをいうケースも多々。ガッツといえば和田竜騎手ですが、ディープボンドとのコンビでは何度も道悪で突っ込んで来ていますし、フェアリーポルカとのコンビで2年連続不良馬場の中山牝馬Sで激走したのも印象的です。
ただ、ガッツがあるゆえに内に突っ込んでいくことも多いので、内が極端に悪い荒れ馬場だと微妙なケースもありますので、そこら辺は柔軟に考える必要があるかもしれません。
★リズム重視系
意外かもしれませんが、タフな馬場になると怖いのは実はガッツとは真逆に思える、リズム重視系のジョッキーです。どういうカラクリかというと、馬場が荒れて内が悪くなれば差しが届きやすくなり、そういったケースではコース取りにこだわるよりもフワっと脚を溜める方がハマりやすいというわけです。
先週の新潟2歳Sを制した北村友騎手は芝の道悪で成績が上がるジョッキー。クロノジェネシスとのコンビで制した宝塚記念は発表こそやや重でしたが、実質的には重不良に近い馬場でした。先週の新潟2歳Sは良馬場発表でしたが、レースを見てもわかる通り、雨で内が悪くなっていましたからね。JRAの馬場発表はテキト……ではなく、あくまでも目安です。
~荒れ馬場ジョッキーとして特注はこの2人!~
お待たせしました、それでは具体的に道悪の芝・荒れた芝でオススメのジョッキーを何人かお伝えします。
まず、特注は以下の2名です。