競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「今の京都芝で買える騎手&マイルCS展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週は亀谷競馬サロンのゲスト出演でした。残念ながらエリザベス女王杯はハズレてしまいましたが、京都最終の芝1400mは激アツな乗り替わりを発見し、迷わず本命に。
本命にした◎テラステラは、前走・古川奈穂騎手から今回坂井瑠星騎手。これは買いパターンということで以前も当コラムでもお伝えしたと思うのですが、レースでも見事な手綱さばきで2着。勝負度が高い矢作厩舎の連闘でもありましたから、絶好の買い場でしたね。
競馬予想っていうのは本当に、これくらいシンプルな方が当たるものですね(自戒を込めて)。
ちなみに、これはサロン内でもお話ししたのですが、坂井騎手は現在の京都の力を要する芝も向いています。エリザベス女王杯でもホールネスを見事な進路取りで3着に持ってきました。2番人気3着ですから見た目の上では特に騎手の力には見えないかもしれませんが、枠順や馬の能力を考えると、最大限に力を引き出したものだったと思います。
~今の京都芝で買える騎手~
というわけで、今回は現在の京都芝のお話から、マイルCSの展望へと繋げていきます。
京都は連続開催の後半に差し掛かり、先週で6週目。雨の開催があったこともあり、今年も馬場が荒れてきています。馬場が荒れてきた京都芝は決め手以上に持久力を問われるので、走りやすいジョッキーにも偏りが出てきます。先週の主なジョッキーの成績は以下の通り。
▼先週の京都芝騎手別成績
C.デムーロ騎手(3-4-0-3)
坂井騎手(2-1-1-5)
川田騎手(2-1-0-0)
武豊騎手(0-1-0-3)
ルメール騎手(0-1-0-4)
ご覧の通り、エリザベス女王杯をスタニングローズで制したC.デムーロ騎手は、その他のレースでも絶好調。特に馬場が荒れてきた日曜の芝は、G1含む3勝の他に、6番人気2着、8番人気2着など穴での好走も目立ちました。
逆に不振だったのがルメール騎手。エリザベス女王杯ではレガレイラに騎乗したものの1番人気で5着と人気を裏切り、その他のレースでも振るわずに未勝利。フワッと溜めて直線末脚を伸ばすというスタイルがあまりハマっていませんでした。
不利があったじゃないかと思われるかもしれませんが、不利を受けるような競馬をしているので、それを言い出したらキリがありません。
今の京都は馬場が荒れて内枠からのスタートは少し苦しくなっていますが、かといって直線だけでの追い上げがあまり利きません。道中リズムを重視して溜めて、直線で弾けるというパターンがハマりづらいんですね。通常の東京芝で問われる末脚とはまるで異なる馬場といえるでしょう。
だからこそ、どちらかといえばパワータイプの欧州騎手や、日本の中でも欧州的な騎乗をする坂井騎手、そして、リズムよりは位置取りを重視する川田騎手の活躍が目立ちます。
恐らくこの傾向は今週末も変わらないので、以上を踏まえた上でマイルCSの展望に参りましょう。
~マイルCSのジョッキー展望~
★エルトンバローズ(西村淳騎手)