競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「大野拓弥騎手の狙い方&ジャパンカップ展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
※次回更新は通常より1日遅れの11/29(金)になる予定です。予めご了承ください。
マイルCSは連続開催の終盤ということで、荒れ馬場での開催となりました。結果外枠有利、そして荒れ馬場への適性も問われました。
勝ったソウルラッシュ騎乗の団野騎手は、もともと馬を動かせるタイプのジョッキーで、初G1制覇が高松宮記念のファストフォース、そして今回がソウルラッシュ。いずれも荒れた芝。ジョッキーの適性もハマりましたよね。今考えても、ソウルラッシュに団野騎手を起用したのは英断だったと思います。
2着エルトンバローズの西村淳騎手はとにかく馬場を読める、頭脳派ジョッキーの筆頭格。この秋はルガルで初G1制覇を成し遂げましたが、今回も外枠から絶妙なコース取りでした。
そして3着ウインマーベルは松山騎手。先日取り上げたばかりですが、荒れ馬場に強くしぶとく脚を伸ばすタイプ。いわばルメール騎手と対極のジョッキーで、内枠から上手く持ち出したものの伸びあぐねたルメール騎手=ブレイディヴェーグを横目に見ながら、しぶとく3着確保。
終わってみれば納得の上位3頭でしたね。
逆に、ルメール騎手にとっては苦しい内枠でした。この距離だとゆったり溜める同騎手の最も得意なパターンには持ち込めず、見せ場は作ったものの4着。エリザベス女王杯(レガレイラ)に続いて内枠を引いたことも苦戦の要因だったと思います。
ちなみに、ルメール騎手はマイルCSの2つ前の9Rで珍しく単勝30倍超という人気薄だったリンフレスカンテに騎乗し3着。芝2400mの長丁場で外枠という、ルメール騎手にとっては絶好の狙いどころでした。
「一人の騎手を覚えれば競馬は勝てる」
といえそうですね。もっとも、この格言は著作権がありそうなので使わないことにしますが…(笑)。
なお、先週の当コラムでは、
「穴ならエルトンバローズ、危険なのはブレイディヴェーグでしょう」
と書いたまでは良かったのですが、肝心の軸馬(チャリン)が不発でした。
前置きもここら辺にしまして、今回は特徴のある騎手を改めて取り上げます。
~中堅以上の騎手の特徴を掴む重要性~
ジャパンカップ展望の前に、今回は大野拓弥騎手を少し取り上げます。最近はできるだけ新しい騎手にスポットを当てていたのですが、そもそも新しい騎手が様々な理由で減ってしまっているので、今回は馬券的に狙いやすくパフォーマンスが安定している中堅以上のジョッキーにします。
特に最近の馬場傾向から穴で狙いやすいのは、