競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「菊沢一樹騎手&朝日杯FS展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週の阪神JFは終わってみれば3頭出走していた前走芝の距離短縮馬でワンツースリー。競馬って、時としてこういうシンプルな結末になったりしますね。この流れだと今週はミュージアムマイルなんでしょうか。
ジョッキー関連で印象的だったのは、スポット参戦で3勝を挙げたデットーリ騎手。さすがと思わせたのはギャンブルルームでの圧勝、そしてマイネルエンペラーをギリギリ持たせて9走ぶりの勝利に導いたこと。
3勝のうち2勝が芝2200mと芝2400m。今回の来日では土日で8レースに騎乗しましたが、そのうち芝1800m以上では4戦2勝、2着2回とパーフェクト。
「欧州出身騎手は芝中距離で買え」
という、ものすごくシンプルですが傾向通りの結果に。ルメール騎手も基本は一緒です。
もちろん欧州とひと口に言っても、フランスとイギリスは異なりますし、ドイツともなればまただいぶ変わってきます。
皆さんの師(?)である亀谷さんは種牡馬の特徴をYouTube等でデビュー前に分析し、概ね傾向を的中させられていると思うのですが、ジョッキーに関しても来日の際はこれまでの好走例や騎乗地域によってザックリと予想できるんじゃないかなと思う今日この頃です。
次回、新たな短期免許ジョッキーが来日する際には、ちょっとやってみますかね。
~覚えておきたい関東の穴男・菊沢一樹騎手~
そろそろ年末ですし、今年のまとめもしたいところなのですが、穴男として存在感を発揮したジョッキーとして覚えておいてほしいのが、菊沢一樹騎手です。
もう来春でデビューから10年目を迎えるので、立派な中堅ジョッキーになりつつあるわけですが、どうにも地味です。勝ち星を見ても、初年度7勝のあとは、10勝~20勝台をひたすら続けている。それでも今年はこれまで24勝。人知れずキャリアハイを更新中です。
新顔でも減量でもなく、特別大きなレースを勝ったわけでもなく、それでもコツコツと勝ち星を積み重ねられるのは、間違いなく「確かな腕」があるからです。
その地味さの源泉にあるのは、乗り馬の質でしょう。
何しろ今年24勝のうち、23勝が別の馬主。麻雀でいえば四暗刻でも七対子でもなく、国士無双ですか。しかも、勝ち星を挙げている馬主の中でいわゆる社台系はほぼ皆無。社台RHのピクシレーションで1勝を挙げている以外は、サンデーレーシングやキャロットのようなメジャークラブでは0勝。というか、ほぼ乗らない。
地味であることが何をもたらすか、それはつまり人気にならないってことです。
~菊沢騎手の特徴&穴パターン~