競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「有馬記念出走全頭をジョッキー視点で徹底展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週は今年最後の亀谷サロンのゲスト出演ということで、その後の忘年会まで楽しんできました。コラムを始めて早3年以上が経ちますが、まだ書いていない騎手を逆に教えていただいたり、熱いリクエストをいただいたりもしたので、また年明けから順次コラムでも取り上げていきたいなと考えております。
基本的にコラムって見えない読者を想定しつつ、ひたすら壁当てをしてるようなものなんですよね。ですから、直接ご意見をいただける機会は嬉しいものですし、今後も叱咤激励のほどよろしくお願いいたします。
それにしても先週の朝日杯FSは悔しい結末でした。WIN5の的中も懸かっていたのですが、想定以上にスローになってしまい、アドマイヤズームが好位から抜け出し。川田騎手、やはり2歳G1では本当に頼りになります。ダノンプレミアム、グレナディアガーズ、ジャンタルマンタルに続く4勝目。来年もこのレースは川田騎手に注目でしょうか。
~パワー系とリズム系と頭脳系~
本題の前に少しだけ先週取り上げた菊沢一樹騎手についての補足。実は2024年、得意の直線競馬であまり振るわなかったんですね。その理由だけ。
▼直線競馬×菊沢騎手
(1-2-0-18) 単/複 63/33%
今年直線競馬でイマイチ結果が出なかった理由はいくつかありますが、もっとも大事なことは、菊沢騎手が「頭脳派」であるということです。
直線競馬って、ラチ寄せとかカニ歩きみたいな戦略性が活きるケースと、そうでなくて、とにかくスピードを活かしてガンガン先行するタイプがそのまま押し切るケースと2つあるんですね。これは馬場次第です。後者の場合は騎手どうこうよりも、単純に馬のスピード×枠順で決まります。
菊沢騎手は頭脳派ジョッキーとして、前者のような工夫をして1つでも上に持ってくるタイプ。逃げ先行が止まらないような馬場になると、伸びて来ても届かないというケースが増えてきます。今年はそういう馬場が少し多かったということですね。
そもそも特定条件における成績なんて1年程度だと偶然の積み重ねでどうとでもなりますから、依然として直線競馬で特注のジョッキーであることには変わりありません。
ジョッキーにはパワー系、リズム系、頭脳系といろんなタイプがいるということも併せて今後のテーマですね。
~有馬記念をジョッキー視点で徹底展望!~
さて、それでは今回の本題。有馬記念をジョッキー視点を中心に徹底展望したいと思います。