競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「宝塚記念徹底展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
安田記念の最終結論は◎エコロヴァルツ。ブレイディヴェーグは大外枠が少し気掛かりで対抗評価。ただ、終わってみればどちらも及ばずでした。
勝ったジャンタルマンタルは成長力を懸念したのですが、終わってみれば完勝。川田騎手はとにかくマイルG1に強くて、たくさん勝っているG1はほとんどマイル戦です。現時点で3勝以上しているG1は以下の通り。
・朝日杯FS4勝
・安田記念4勝
・桜花賞 3勝
いずれもマイルG1です。
中長距離の名馬を育むのがルメール騎手ならば、名マイラーを育むのは川田騎手なのかもしれません。
「馬の適性は騎手次第」
ということを再認識させられます。
~2年目の吉村誠之助騎手の狙いどころは?~
安田記念においてもう1つ注目すべき存在は、9番人気ながら2着に突っ込んで来たガイアフォース&吉村騎手でしょう。吉村騎手はまだ2年目ながら、既に重賞2勝。G1でも昨年の朝日杯FSではランスオブカオスを3着に持って来ており、それ以来早くも2度目の馬券圏内好走となりました。本人いわく、「あまり緊張しない」とも話しているように、大一番でも思い切って乗れるのは大きな強みです。
吉村騎手は既に過去に3度も(!)取り上げているので、詳しくはそちらを見ていただくと大まかな特徴を掴めるとは思いますが、改めて感じたのは2点。
(1)ロスのない立ち回りへのこだわり
(2)しっかりコントロール下に置いた上で力強く追える
(1)については、兵庫のトップジョッキーである父の教えもあるようで、極力ロスなく立ち回れるのはやはり強み。本人も内枠が好きと、テレビ東京のYouTubeチャンネルのインタビューの中でも答えています(※)。
※参考映像
激レア!シュガークンも登場!|ルーキー吉村誠之助騎手に注目!|ウイニングTube
また、しっかり馬を抱えてコントロールできるので、馬群で我慢して脚を使えるのも強み。今回のガイアフォースも直線の入り口では進路がなくなるシーンもありましたが、そこから切り替えて伸びて来れたのはジョッキーの腕もあったと思います。
データを見ると特にダートの内枠での強さが際立っています。今後も芝ダート問わず、まだまだ飛躍できるジョッキーだと思います。同じく2年目の高杉騎手とともに、今後のJRAを引っ張っていく存在になってほしいです。
~宝塚記念徹底展望~
さて、いよいよ今週末は今年から2週繰り上がりでの開催となる宝塚記念。有力馬の乗り替わりも多いので、ジョッキーも含めた徹底展望をしていきます。