新型コロナウイルスの脅威にさらされた今週。そんな中で影響を一切受けなかった重賞有力馬は？/東スポ・藤井記者のトレセンレポート

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスですが、今週は競馬界にも大きな影響をもたらしました。水曜(1日)の朝に丸山元気騎手が新型コロナウイルスに感染していたことが発表されていたのです。

これを受けて同日朝から、先週末に丸山騎手と同じ新潟競馬場で騎乗していた57人のジョッキーたちは各地で調教騎乗を自粛。全員がPCR検査を受けることになりました。

「もしもPCR検査によって、多数のジョッキーへの感染拡大が確認されたら、今週末の競馬開催も危ういのではないか」

そんな不安を抱きながらも、週末の開催へ向けて粛々と関係者は調整をし、我々マスコミは取材を続ける･･･。週中のトレセンには何とも言えない緊張感がありましたが、翌日の検査結果では江田照男騎手の陽性が確認されたものの、残りの56人は陰性だったために、週末の開催は無事行われることに。

丸山、江田照、両騎手にとっては大変気の毒でしたが、関係者がおそれていた最悪のシナリオは免れたのでした。

同時に証明されたのが、JRAが行ってきた感染拡大防止策の有用性でした。従来の競馬場内の調整ルームの他に、自宅やホテルなどを認定調整ルームとして認可。風呂場なども時間差で利用させることで、なるべくジョッキー同士が接触する機会を排除してきたのです。その結果こそが今回のクラスター発生の回避につながったのだと考えられます。

一方、視点を変えて週末の馬券への影響は･･･と考えると、やはり先週新潟で騎乗したジョッキーたちが水曜、木曜の調教に乗れなかった点でしょうか。