Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第15回目のトークテーマは前回に引き続きモーリス。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):前回はスタミナと馬力を生かせる非主流の条件で強いという話でした。逆に直線勝負みたいな、キレの必要な条件はいまいちだと。
今井雅宏(以下、今):上がり上位で重賞を勝ったことって、ほとんどないんじゃないの?
亀:上がり2位で勝ったのが1回だけですよ。ピクシーナイトのスプリンターズSです。
今:先行して押し切るレースで、どちらかというと我慢比べのパワーレースだったもんね。ただ、日本の主流レース向きではないけど、根幹距離も走るという話も出たよね。
亀:直線の短い2000m以上のレースでは強いですからね。この間の札幌記念のジャックドールとか。ああいうタフなレースになると根幹距離も走りますよね。あと、中京で行われたシンザン記念は2年連続でモーリス産駒が好走しましたが、ともに主流血統が走りにくい馬場でした。
今:闘う意欲は強いんだけど、そのぶん道中で緩急のある流れに対応するのが苦手なんだよね。だから、直線の長い条件だと我慢しにくい。
本質的に精神力(MのS、C)とスピードで走るタイプで、揉まれ弱いわけでもないんで、マイル以下、特に1400m以下ならペースが速いぶん、「道中我慢して馬群を割って勝つ」みたいなしぶとい競馬も向く。
ただし、緩急が出てくる1800m以上になると、行くか、捲るか、追い込むかの、ブレーキを掛けない一本調子な競馬が中心になる。この現象は、似たタイプのロードカナロアにも言えるんだけど。
亀:ジャックドールやノースブリッジとか、中長距離は徹底先行型が多いですよね。サドラーズウェルズやロベルトの影響が強いので、どうしてもパワー競馬になるので。
今:先行馬以外ではジェラルディーナなんかがいるけど、最速上がりで重賞を連対した鳴尾記念は10頭立ての外枠9番で、しかも4ハロン目からラストまで一貫して速い流れでの追い込みだったから、全くブレーキを掛ける必要はなかった。